第205話 ルミナス~光~

突然3人の頭にフッと湧いて出た名前があった。


「「「ルミナス」」」


『ルミナス』と3人に言われてオレは自身の身体に稲妻が走るのを感じた。

まるで、昔からそうであったようにオレの身体に心に『ルミナス』という名前が染み込んでいくのがわかった。


「ルミナス・・・かぁ・・・良い名だな。そうか、俺の名は・・・『ルミナス』か!!今日から俺は『ルミナス』だ!!よろしくな!テメェら!」


黒髪の優男のレイが言う。

「おう!改めて、よろしくなルミナス!!」


謎の職業ギャルのナニアが言う。

「ルミナっちよろしく♪」


ガチムチ人魚のルノアが言う。

「ル、ルミナス様よろしくお願いしますっ!!」


・・・オレは良い仲間に巡り会えたのかもしれねぇな・・・これまでの苦悩も必要だったのかもしれねぇな。。。


そんなことを考えていると、一瞬だが、意識が遠のいた感覚に陥った。


目を開けると今しがたまで野営していた場所ではなく、神々しさに溢れた静謐な部屋にいた。

そして、目の前にはがいた。


『久しぶりと言うには、些か早い再会でしたね。よ。そして、遂にあなたは自身のに巡り合いましたね。先日までの見立てでは、あなたは生涯、真名に巡り合うことはありませんでした。ですが、今、あなたは真名に巡り合えた。それは、あなたの周りにいる人間たちが運命を変える力を持っているから。そして、真名を得た、あなたもきっと運命を変える力に目覚めるでしょう。』


「ははっ!こうも神アルマに何度も逢えちまうとは聖者としてこの上ないぜ?それに、そんな嬉しいこと言ってくれるとはよ。確かにアイツらは運命変えちまうくらいの力があるのかもな。それに・・・オレにも運命を変える力があるってんなら、このクソみたいな世の中変えてやるよ!!」


「えぇ。あなたならきっとやれると信じておりますよ。あなたは世界にを灯す存在なのですから。それではまたいつか、あなたに会える日を楽しみにしていますよ聖者ルミナス。あなたに祝福を・・・」


目を開けると野営地に戻っていたが、なにやら俺の身体がほのかにキラキラ輝いていやがる。

どうやらのようだ。そのお陰なのかはわからないが、の状態にもかかわらず


「これがオレ様、ルミナスか・・・今なら聖女の状態でも死霊女王とだってイイ線イケてた気がするぜ?」


「は、はいっ!さすが聖者様です!」


そう言って、心の底から喜んで微笑むガチムチ人魚な聖女にオレは言ってやった。


「何言ってんだ。オレ様とルノアは一蓮托生だろ?これから先も一緒にな!頼むぜ聖女ルノア!!」

「はいっ!聖者ルミナス様!!」


そうして、名もなき聖者だったオレの旅は終わり、聖者ルミナスとしての本当の人生がここから始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る