第176話 急襲

ザルドルはライオネル商会から立ち去った後、自身のコネクションを最大限活用すべくサンサンプトンの街を練り歩き協力を求めていたのであった。


「ふぅ。さすがに骨が折れた。だが、これで協力はこぎ着けられたであろう。だが、頑張り過ぎたか?日が暮れてしまった。いや、念には念を入れるのがよいはずだ。これでいい。」

そう呟き、宿へ戻るべく歩を進めるザルドルが路地を曲がったところで異変に気が付いた。


「ん?やけに暗いな?」そう呟き、街灯を見上げたところ、この路地の街灯が軒並み壊されていることに気が付いた。


「街灯が壊されている!?なんだこれは?」


ザルドルが動揺していると路地の前後からガラの悪い男が現れ路地を塞いだ。


「ぬ!なんだ貴様ら!もしや、スネイルの手の者か!?」


一人の男が前に歩み寄り言った。

「お前がコソコソしていることが気に食わないお方がいるんだ。残念だが死んでもらおう。」


そう言うや否や男たちは武器を振りかざしザルドルへ襲いかかった!!


しかし、ザルドルにその急襲は届かなかった。

「ふぅ。肝を冷やした。だが、これで本当にスネイルが暗躍していることが裏付けられたな。済みませんがお願いします。」


そうザルドルが言うと突如として2人の男が現れた。

1人は教会の法衣を纏った大柄な男。

もう1人はライトアーマーに国旗が刻印された男であった。

「「畏まった」」

2人はそう告げるや否や圧倒的な力で急襲してきた男たちを圧倒的な力をもって倒すのであった。


「ありがとうございます。悪魔祓いエクソシストのダンテ様、騎士団長ジョルジョ様。」

「いや、我の結界にかかれば、これぐらいであれば訳はない。」

「そうだね。僕らにかかれば訳はないですよ。」

続けて2人が言った。

「「だが、これだけで終わってくれそうにない(ですね)。」」


すると気を失っているハズの男たちが、まるで糸で操られ強制的に立ち上がらされたんではないかと言うくらいフラフラと所在がない形で立ち上がり、そして、いつの間にか手にしていた『百騎丸』を口に放り込みかみ砕いた!?


「「「「「グガガアァァァァァァ!!!!!!!」」」」」

男たちは獣のような叫び声をあげ、ヨダレを垂らし再度ザルドル達に襲いかかった!!


「!?これがザルドル様がおっしゃっていた『百騎丸』か?凄まじいな。だが、正気を保てていない時点で、いくら力が強かろうと僕らに勝つことは出来ない。」

「左様。獣になり果てた、お主たちなんぞ、おそるるに足らず。」


そう言いながらジョルジョはを振った。

「くらうがいい我が騎士団の編み出した剣術を!『乱れ大蛇オロチ』!!」

乱れ狂う大蛇の如く予測不能な動きを魅せる剣が前方から襲いかかる男たちの手首や足首を打ち抜き、動きを強制的に止め、最後に首筋を喰いちぎるかの如き大蛇の様に剣が男たちの首を打ち抜き一瞬のうちに5名の意識を刈り取った。


ダンテは聖木から削り出した2メートル近い棍を後方から襲いかかる男たちに振るった。

「慈悲はない。己が罪を悔やむがいい。哀撃エレジー。」

重量があるはずの棍が超速で突き出され、4人の男たちの正中線上3か所を見事に打ち抜いた。

正中線を打ち抜かれた男たちはそれだけで、意識は昏倒していた。

しかし、ダンテの言葉通り慈悲はなく最後に天誅と言わんばかりに男たちの肩口に棍が振り降ろされ意識を完全に刈り取られたのであった。

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