第126話 水花火の伝説
ドーン!ドーン!ザパーン!ザパーン!!
本日の水柱は高さ60メートルくらいまであがり、最高到達点で弾け花を咲かせている様だった。
そうやって何本もの水の花がロコロッコに咲き誇った。
そんな素敵な水花火を眺めていた旅人が叫んだ!
「オイ!あれは何だ!なんか落ちてくるぞ!!」
水花火が上空で弾けて花を咲かせ霧散してく中に、逆光にさらされて異物の様に黒い点がまばらに見える。
高さ40メートル。
黒い米粒の様に見えたモノに何となく輪郭が見えてくる。
逆光ではあるが、輪郭が3つある様に見える。
高さ20メートル
いよいよ皆それが何か気づき始めた!!
「「「「「おい!あれ人じゃねぇか!!水柱から人が降って来たぞ!!」」」」」
「「ヤベーぞ!みんなあのまま叩きつけられたら死んじまうぞ!!」」
「あれは・・・まさか!!」
高さ10メートル
「「「人が2人にあれはなんだ?なんだあの丸いのは?」」」
「「「ダメだ間に合わん!!」」」
「「「「「キャー!!!!」」」」
高さ3メートル
誰もが、もうダメだと思った瞬間。
2人に寄り添うようにいた丸い物体が突如として膨れ上がった!!
そして、2人を包み込んだ。
0メートル
バッシャーン!!!!という音を立てオアシスの水面に着水。
2人を包み込んでいたものは風船が弾ける様に『ボンッ!』と音を立て一気に萎み元の丸いモノになり水面に転がった。
2人も丸い何かに衝撃が吸収され分散されたのか、そのまま水面に浮いている。
「「助けろ!!男と女だ!あとあの丸っこいのも拾っとけ!」」
ザバザバと水をかき分け男たちが救助にあたる。
「うわっ!なんだコイツらヒドい怪我だ!だが、ここでの怪我じゃない?モンスターか何かと戦ってできた傷に見える!」
「うるせぇい!そんなことよりも救助だろがいっ!」
「誰か回復魔法使えるやつはいねぇか!旅の方でもかまわねぇ!ヒーラーがいたら来てくれ!!」
男たちによって浜に担ぎ上げられた人間たちはかすかに息はしているようだった。
「私はヒーラーだ!応急処置をする!」
懸命な救助の甲斐もあって、その男女と謎の丸いモノは一命をとりとめた。
「あとは宿で休ませてあげてください!」
「助かったぜ。ヒーラーさん!あとは我々ロコロッコ商人会が責任もって看護する!礼をするから後で商人会本部に来てくれ!!」
「いや、私は当然のことをしたまでです。」
「いやいやここで礼をしなかったら俺たち商人の名折れだ!必ず来てくれ!俺の名はザルドル!商人会の会頭だ!」
「わかりました。それでは後ほど。」
そんなやり取りをした後ザルドルは誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。
「水花火の伝説か・・・『世界が混乱に満ちるとき、水花火立ち昇りし時、天より舞い落ちる人あり。時が満ちた時、スベテヲクラウモノと対峙し砂海の理を解き明かすだろう。さすれば世界の窮地に光挿すであろう。』本当に言い伝え通りのことが起こるのか?何にせよ俺たちはコイツらを護らなければいけないな。」
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