第26話 激戦
マルクス=ケーゲラ辺境伯であったモノは腕が鋭利な刃物。体は黒光りした甲殻。馬のような足が6本。そんな異形なモノになっていた。
「「「「「な!なんだ!コイツは!!」」」」」
「アらためめテよろしく。ゾシデザヨウナアラ!!」
次の瞬間2階にいたハズのソレはイーサ達の目の前に出現し、鋭利な刃物を振り抜いていた!!
ガキィイーン!!甲高い音が1階ホールに鳴り響いた。
間一髪、マルクス=ケーゲラ辺境伯の不意打ちに対応したジャスがその剣で受け止めていたが、その凄まじい胆力におされ、そのまま吹っ飛ばされた!
ズガガーン!と音を立てて壁にめり込む。
追撃をかけようとしたソレは動けないことに気が付く。
イーサが影縫いをしていた。
その瞬間にルーがジャスに回復魔法である「ヒールウインド」をかけて体勢を立て直しにかかっていた。
『コザカシイ!』
そういうとソレは無理矢理影縫いを解いた。
そして次の瞬間、その口から炎を吐き出した!
イーサが炎に被弾しかけたところ、戦線に復帰したジャスの剣圧によって炎をかき消した。
「ルーさん。ありがとう助かりましたよ。これはこれは本当にヤバいですね~。私たちただ悪行の証拠を暴きにきただけなんですがね。まさかここまでのイレギュラーに襲われるとは・・・せいぜい盗賊か山賊崩れの衛兵と戦うくらいかと思っていたのですが・・・お二方気合入れていきますよ!!」
「レイ!ピピン!!お前らは逃げろ!お前らの手に負えるような相手じゃねぇ!!」
「でも俺たちだって!!」
「うるせぇ!さっさと行け!死ぬぞ!足手まといだ!!」
そういうと一気に戦闘が激化した!
ルーが防御魔法の『ウインドアーマー』を唱え防御を。イーサが『ダッシュシャドウ』で素早さのバフをかける。
それによってマルクス辺境伯の素早さに肉薄したジャスは『魔法剣アースソード』で地属性を付与した剣で切りかかり剣戟を繰り広げる。
一進一退の攻防が繰り広げられる中で、イーサの『シャドウバインド』がマルクス辺境伯を一瞬足止め。それが功を制し、その隙にジャスは必殺の『ストーンストライク』をルーが『爆発魔法エクスブラスト』を叩きこんだ!!
激しい音を立ててマルクス辺境伯は奥の部屋に吹っ飛ばされ、息も絶え絶えになっていた。
『グゥウウウ!!ナゼダザゼダ!!ナゼカデナイ!ヂガラガダリナイ!!』
そこに不思議な声が響く。『可愛い私のペットよ。隣の部屋にいるあなたのコレクションを喰らうとイイヨ』
マルクス辺境伯はその声を聞いてすぐに隣の部屋に入った。
そこにはマルクス辺境伯のコレクションだったものが肉団子にされ大量に押し込められていた。
マルクス辺境伯はソレを喰らった。
そして、マルクス辺境伯は完全に人ではなくなり、鋭利な腕が4本に増え、足は12本に体中には食べられたであろう人であった者たちの顔が浮かび上がり、阿鼻叫喚の叫び声をあげている。
そんな異形なモノに完全に姿を変えた。
『ゴレエ゛ボワリダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』
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