【てんとれ祭り参加】アホ飴売りのまっちゃん
夢月みつき
第1話【てんとれ祭り/第45話使用】アホ飴売りの男
俺は、“アホ飴売り”の
アホ飴っちゅーのはなぁ。金太郎飴のゴージャス版だよ。
金太郎飴は、同じ顔だろ。俺のアホ飴は、喜怒哀楽だけじゃねえ。
様々なアホ面が切っても、切っても現れる、って言うシロモノよ。
製造方法は、企業秘密だぜ。
しかも、とびきりの美味さ。どうだい買う気になっただろう?
俺は、アホ飴を車につんで、町に繰り出した。
町に着くと、契約をしている場所で、露店に飴を並べて売り始めた。
「アホ飴いかがっすか~、とびきり美味いっすよ。」
すると、一人の中年のサラリーマンが通りかかった。
「アホ飴ってなんだ?金太郎飴のような、形だが…」
俺は、喰いついたおっさんにアホ飴の宣伝と説明をした。
「そーいうワケで、試食もあるっすよ。お一つどうですか?」
サラリーマンは、切ってあるアホ飴を手に取り、口に入れた。
「ほう、アホ面の飴とは面白いし、それに美味い!いくらなんだ?」
「ありがとうございます。355円です。」
「やすいな!一つもらおう。それに…なんだか、不思議と、楽しい気分になって来た。悩みが、溶けるように消えていくように感じる」
「アホ飴の効果っすよ!まいどありー!」
サラリーマンは、俺からアホ飴を受け取ると、足取りも軽く帰って行った。
アホ飴は、アホのように悩みも、ストレスもなくなっていく飴…。
クックック…あのクソ真面目なサラリーマンも、アホにしてやったぜ。
「世の中、アホだらけにしてやる。俺の親父のように自殺しない為に」
そう決意を固めながら、俺はアホ飴を一つ口に含んで飴の顔を眺めた。
俺の親父が初めに作り始めた、アホ飴。よくみりゃ、俺の顔によく似ていた。
チッ、親父のヤロウ…俺の顔を飴にしやがって、塩水で飴が塩辛くなったじゃねえか。ばかやろうが!
俺は、手始めにこの町を絶対、アホだらけにしてやるからな。親父!
打倒、ストレス社会!!
【参考・引用/蜂蜜ひみつ様/てんとれないうらない/第45話アホ面ばかり 切っても出てくる アホ飴 よく見りゃあ 自分によく似てる 1点】
<了>
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最後までお読み頂いてありがとうございます。
主催の蜂蜜ひみつさんのお題作品が面白かったので、コメディぽく書こうとしたのに。こんなふうになってしまった。塩水で飴が塩辛いっす!
蜂蜜様、ありがとうございました。
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