現代に転生したら前世の娘が同級生だった件。娘がぐいぐい来るが攻略しません、攻略もさせません。【改稿版】
丸焦ししゃも
プロローグ
「
ある日、お母さんが私にそんなことを聞いてきた!
「お父さん!」
「ぶぶー! お父さんはお母さんのですー」
私は本気で言ったのに、何故かお母さんは楽しそうに笑っている。
「もうすぐ
「私の誕生日?」
「うん、大好きな
「お父さんが!?」
「いっぱいお部屋を飾り付けて、いっぱい美味しいの食べようね」
「うん!」
うわぁ! 楽しみ!
私、イチゴがのったケーキ食べたい!
それにしても早くお父さん帰ってこないかなぁ……。
最近、お仕事で遅くなるときがあるからとても寂しい。
「ただいま~」
あっ! 玄関からお父さんの声が聞こえてきた!
「お父さんおかえりーーー!」
やったぁ! お父さんが帰ってきた!
早くお出迎えしないと!
「ただいま
玄関まで行ってお父さんの足に抱きつくと、お父さんは笑いながら私のことを抱っこしてくれた。
「
「お父さん!」
「欲しがらなくてもお父さんはずっと一緒にいるでしょう」
お父さんが優しい顔で私に笑ってくれている。
私はその顔が大好きだ。
「も~、
あっ、お母さんもこっちにきた。
「本当に
「うーん……?」
「あははは、じゃあお父さんとお母さんで
「えへへへ、
「もー、
お父さんが私のことをぎゅーしてくれた。
「もー、あなたは
お母さんが私の髪を撫でてくれた。
「だってなぁ」
あっ、お父さんの抱きしめる力が強くなった。
えへへ、お父さんの良い匂いがするぅ……!
●●●
「うぅ……ぐすっ……」
昔の夢を見て目が覚めた。
高校一年生にもなったのに、私は今でも幸せだったあのときの夢を見ることがある。
“欲しいもの”か――。
そう聞かれたら、今はすぐに思い浮かぶものがあるのに……。
「お父さん……お母さん……」
お父さんとお母さんは、私が幼い時に交通事故で亡くなってしまった。
「もう一度会いたいよ……」
頬を伝わる涙とともに、そんな言葉が漏れてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます