蛮族女王の情夫《ジゴロ》 番外編【金色の愛と銀色の恋】
枕崎 純之助
第一幕 金色の愛
第1話 女王の宿題
ブリジットはそんなボルドのことをとても
「ボルド。今日は1日、日課は休みにするように」
女王であるブリジットは日中、
だが今日はそうした日課を休むよう告げられ、ボルドは少々困惑してしまう。
「ブリジット。では私は何を……」
「1日中アタシのことを考えろ。夕刻までそうしてアタシが喜ぶ夜着を選んで身につけ、逆におまえがアタシに着て欲しい夜着を選んでおくように。いいな。ボルド。今日は1日中アタシのことを考えながら夜を待つんだぞ。宿題だ」
「はい。分かりました」
そうして主の出発を見送ると、すでに話を聞いている
ブリジット用の夜着とボルド用の夜着。
ボルドはこれから一日ウンウンと頭を
彼はブリジットの言葉を思い返す。
一日中ブリジットのことを考える。
その意味は彼にも分かっていた。
それからボルドは時間をかけ、
それを着た自分を見てブリジットがどう思うかを想像しながら。
同じくブリジットの夜着を広げて持つと姿見の前に立ち、ボルドはそれを着たブリジットの姿を想像した。
そうなるとどうしても
だが彼は
「ブリジットは髪の色が明るいから、濃い色の夜着の方が夜には映える。あと私の夜着は脱がせやすいもののほうが喜ばれるな。手触りは……」
主の言いつけ通り、彼はそれから夕刻までブリジットを喜ばせるための夜着を選ぶために、一日中ブリジットのことを考え続けるのだった。
☆☆☆☆☆☆
夕刻に戻って来たブリジットは夕飯と湯浴みを済ませると、すぐさまボルドを寝室に招き入れる。
ボルドは自分の黒髪に合う色として明るい水色の夜着を身に着けており、ブリジットはボルドが選んだ濃い赤色の夜着をその身に
「ブリジットの美しい金色の髪には、深い赤がよく似合うと思いました」
「ボルドはこれが好みなのか?」
そう言ってニッと笑みを浮かべるブリジットに、ボルドは少しばかり恥じらうように
そんな彼を見てブリジットはゴクリと
「あっ……ブリジット」
「もう
「あっ……ああっ!」
女王の宿題に満点回答で応えたボルドは、そのまま朝になるまで眠らせてもらえないのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます