僕は、僕の彼女に一つだけ秘密にしている事がある!

神石水亞宮類

第1話 僕は、僕の彼女に一つだけ秘密にしている事がある!




今、僕はとても幸せだ!

愛する彼女と付き合えた事、そしてその彼女との結婚が決まった事!

彼女も彼女の両親もとっても喜んでくれた。

正直、“彼女のお父さんに挨拶した時は、心臓が飛び出るぐらい緊張した

けど、上手くいって良かったと今は思っている!”

因みに僕の家族も、“やっと二人が結婚するんだと喜んでくれた。”

特に僕の母親は、“三人兄弟の末っ子の僕が最初に結婚したもんだから、

大喜びしていたよ、やっと娘がデキたってね!”

僕も彼女もこれでやっと幸せになれと思っていたんだ。





・・・でも、そうじゃなかった。

僕は彼女に黙っていた事があったからだ!

でも? それは随分前の話だし、僕は全く気にしていなかったんだ。

だけど? 僕の彼女が“僕の奥さん”になった事で状況が変わった!

彼女の職場に、“僕の元カノが乗り込んで来たらしい。”

彼女と知り合う、3年前に付き合っていた元カノ。

ちゃんと元カノとは僕は二人で時間をかけて話し合ったうえで別れたはずだ!

彼女も僕の話を理解してくれていたと思う。



でも、それがなんで?



『“遊喜! どうなってるの? あの女、誰なのよ!”』

『えぇ!?』

『この女よ!』



彼女は僕に携帯で撮った女性の写真を見せてくれた。



『あぁ! この女性って、』

『“誰?”』

『“元カノだよ、”』

『遊喜の元カノがなんで私の職場に乗り込んでくるのよ! ちゃんと別れたの?

今でも二人で会ってたりしないでしょうね?』

『そんな事ある訳ないだろう! でもなんで、今更?』

『その前に、なんで私の事知ってんの? 私の職場も、部屋に盗聴器とかないか

調べた方がいいんじゃないの?』

『あぁ、専門家にみてもらうか!』

『・・・うん、』



次の日、部屋に盗聴器がないか? 専門家に来てもらいみてもらう。


そうしたら? やっぱり部屋に盗聴器があり、全て今までの僕と彼女の

会話を聞かれていた事に僕も彼女もゾッとした。




『“ど、どうする気?”』

『直接、元カノと話すしかないだろう。』

『こんな事をするぐらいだから、“異常者”だと思うけど? ちゃんと話して

理解なんかできないと思うわ!』

『じゃあ、どうするんだよ! このままほってはおけないよ!』

『・・・でも? 二人で会っても、』

『ひょっとして? 僕と元カノが二人で会うのが嫌なのか? それなら

大丈夫だよ、もう元カノに気持ちはない!』

『勿論、信じてるよ! だけど、相手は違うでしょ。』

『“違うって、何が?”』

『“まだ、遊喜に未練があるって事よ!”』

『そんな、ちゃんとお互い話し合いもしたし納得して別れたはずだ!』

『それは遊喜がそう言い聞かせただけでしょ! 相手の女は違うのよ、』

『だから何が違うって言うんだよ!』

『気持ちがまだ遊喜に残っているって事よ!』

『・・・もう4,5年経つのにか?』

『そう! 女は本気で好きになった男の事をそう簡単に忘れられない

ものなのよ。』

『“男なら分かるけど、”』

『女にもあるのよ、それぐらい分からないと女心は分からないわよ!』

『到底、理解できないね! でもどうしたらいいのかな?』

『精神科で診てもらうしかないわよ。』

『“精神科?”』

『元カノが納得してもらったうえで、精神科で診てもらえるようにしないと、

遊喜から元カノに説得して!』

『・・・・・・』

『なによ、出来ないの?』

『そんなに簡単にいくのかな?』

『でも、もうその方法しかないじゃない!』

『・・・うん、』

『責任持って、頑張りなさいよ!』

『・・・わ、分かったよ、』





・・・“僕は、僕の彼女に一つだけ秘密にしている事がある!”

元カノは精神病ではない!

僕との間にデキた子供の事で、僕に嫌がらせをしに来たのだろう。

“彼女から奥さんになった事も、元カノからしたら気に入らない!”

僕と元カノとの間にデキた子は、既に4歳になっている。

“僕の初めての子供で、僕の一人娘だ!”




ただ養育費や諸々、元カノに支払っていない!

その事が元カノは頭にくるのだろうと思う。

でも? 僕も必死で働いているが養育費を払えるほど給与を貰っていない。

元カノには、“もう二度と子供に会いに来ないでと強く言われた。”

それなのに僕は、娘に会えないのが寂しくなり強引に娘と会った事が

元カノの怒りをかったのかなと今はそう思う!



今日はその事を、正式に元カノに謝りに行くつもりだ!

でも? 娘にも会いたい!


“だから頼む! 絶対に彼女には、僕に元カノとの間にデキた娘の事を

彼女に言わないでくれ!”

彼女を僕は失いたくないんだ!


それで娘ともう会えくなったら、僕は一体どうしたらいいんだ?

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僕は、僕の彼女に一つだけ秘密にしている事がある! 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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