08.Cnc



 鈍器で扉を破壊する音で目が覚めた。怯えているネイを背で隠し、恐る恐る寝室から顔を出す。

 私を見つけた人間達は、大急ぎで私の手を引き、ネイと私を引き裂いた。

 私を抱きしめる先生。

 先生はネイを見て怪訝な顔をし、私の手を引いて立ち去ろうとした。


「やだ、ネイ、ネイ!!」

 私が名前を呼ぶと、ネイは悔しそうに俯いた。

 連行されていくネイ。


 嫌だ、嫌だ、嫌だ。


「          」


 気付いたら私は大声で叫んでいた。

 言葉にならない声で、必死に、ネイに届くように。

 先生は私の口を塞ごうとした。だから私は先生の指に嚙みついた。

 ネイは、私の声を聞き、顔を上げた。

「その声のどこがシルクだよ」

 ネイが嬉しそうにそう呟いたのが見えた。

「ネイ…」

 まだ、愛してるって、言えてないのに。

 ネイ。


「会いたかった」

 背後から聞こえた、好青年の声。

「…私は、会いたくない」

「悲しい事言わないでよ、一応…僕達婚約者なんだから」


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