7周目

7月21日


 長い長い夢を見た。

 夢の中で夏休みを何度も送っていた。

 私だけみんなと違って夏休みがたくさんある。

 それはとても嬉しいことだろう。でも、私はまったく嬉しくない。早く2学期が始まってほしい。


8月18日


 親友と二人で遊園地に行った。

 待ち時間はひたすら親友の惚気話に付き合わされた。心底うっとうしかった。

「彼氏の家とかで遊んだりするの」と聞いたら、21日から彼氏の家に泊まるらしい。私は 必死に彼女を引き留めた。なんだかとても嫌な予感がしたからだ。

 彼女からたくさんの罵声を浴びせられた。「自分に彼氏がいないからって、私の青春を邪魔しないで」って言われた。それがとても胸に刺さった。

 この日、私は彼女と親友ではなくなった。


8月21日


 今日はいつもより早めに日記を書く。

 私は悪魔になることを決めた。親友の青春を奪う悪魔に。

でも、味方は誰もいない。警察に連絡しても、無意味だった。

 だから私は親友を待ち伏せして、彼氏が来たところで彼女を強奪してやることにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る