嘘つきリア充の青春謳歌ライフ
白玉ぜんざい
プロローグ
憧れた青春
きらきらした日々に憧れた。
非日常のような日常に憧れた。
夢の中にいるような青春に憧れた。
けれども。
現実はそう甘くなくて。
中学時代、友達はろくにいなかった。挨拶すらまともにできず、登校すれば教室の隅っこで一人本を読む。
もしかしたら一言だって話さない日もあったかもしれない。
なにもしなくても、世界が勝手に変わるものだと思っていた。
しかしそんなことはなくて、中学校三年間を過ごす中でいやというほど思い知らされた。
変えようとしなければ、変わろうとしなければ、世界も自分も変わらないのだということを。
だから変わろうと思った。
高校は今の自分を知っている人が誰もいないところを選んだ。
中学校を卒業してから高校に入学するまでの僅かな時間を使って、これでもかというくらいに自分を変える努力をした。
その結果、自分を取り巻く世界は変わった。
ようやく手に入れた。
きらきらした日々を。
非日常のような日常を。
夢の中にいるような青春を。
毎日が楽しかった。
だから忘れていた。この輝かしい毎日は当たり前ではないということを。
気付かされた。この毎日はほんの些細なことがきっかけで崩れ落ちていくのだということ。
目の前に広がる光景は幻想なのだと、ある日突然思い知らされた。
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