第5話 商隊の護衛同行

 コスカラパーティーの3人、ギルドに帰って騒いで居ます。

「暴力狂暴女、イノマに有り金全部盗られた!!」

 それは流石に嘘っぽい!誰も相手しないで無視してる、抜かり無く先手は打って置いたよ、ギルドマスターに3人呼ばれ降格処分されたそうです。

 ヨミさんの話では、コスカラパーティーに私みたいな被害を受けた初級冒険者が大勢訴えたそうで、コスカラパーティーはリーダーが初級1等でメンバー2人は初級2等に降格されハンエイ町を出て行ったそうです。


 次の日金貨20持って、久し振りに孤児院に行きました。

「マリナ母さん、居る?」

 相変わらず愛想の無いガキ、返事もせん。

「イノマちゃん元気そう冒険者頑張ってるそうね!お隣の兵士様が教えてくれたの、中に入ってお話聞かせて!」


 相変わらず貧乏経営みたい、出してくれた飲み物は只のお水でした。

「マリナ母さん、これお土産」

「え?えぇ??こんな大金どうしたの?」

「迷いの森ダンジョンに入って、魔物討伐したの!一回入っただけで大儲けよ!また入ればこれくらい楽に稼げる、遠慮しないで受け取って!」


 卒院した私、長居する気は無かったし、私が食事一緒にすると皆が食べる量が減る、用が済んだので帰る事にしました。

 マリナ母さんは相変わらず泣き虫、泣きながら見送ってくれました。



 帰り道に雑貨屋の前を通り過ぎようとして、見覚えのある商人たしかベンさんだった、私を孤児院まで連れて行ってくれた人です。


「ベンさん、イノマです!お久し振りです」

「おぅ!イノマちゃん冒険者頑張ってるってマリナさんから聞いたぞ」



 ベンさんの紹介で中級3等の冒険者、イズとレノマに見習い護衛同行させて貰える事に成りました。


 イズとレノマ先輩と夜営準備の買い物する事になり、幸い金貨7枚持ってる確り教えてもらい夜営準備する事にしました。


「イノマちゃん、12歳で初級1等になって優秀なんだね」

「私達が12歳の時は初級3等で、1年は溝掃除や倉庫の片付け食堂の皿洗いに掃除、冒険とか全く関係の無い依頼を受けてたよ」


「この防具屋、気を着けないと吹っ掛けやるから注意してね、品質も腕も良い防具屋なのにテツって残念な店主なんだ」

 と良いながら、店に入るんかよ?

「水筒は持ってるね、必要な物はフード付きコート兼用の防水シートだよ結構高価で銀貨3枚が相場」


「イズさんレノマさん今日は良い硬質革鎧が・・・メンバー増やされた?」

「テツさんフード付き防水コートこの子に合わせて」

「へい!まいどご贔屓に!金貨・・・」

「銀貨3枚でしょ」

「へい!特別割引銀貨3枚で結構です」

 テツって店主、軽口たたきながらテキパキ、あっと言う間に寸法合わせ終ってました。



 支払い済ませ、次は保存食の基本乾パンに干し肉、余裕を持たせ10日分20食、凄い量なのに銀貨1枚だって、これから宿舎の自室で平生はこれをかじってご飯済ませよう。


「イノマちゃん、平生の食事これにすれば安く済ませられるって思ったでしょ?駄目だよ!冒険者は身体が資本、健康管理から止めた方が良いよ!せめてギルド酒場のスープくらい食べないと」


(先輩冒険者の生活指導って、ためになって良いな!このままパーティーに入れて貰えないかな?)



「ベン雑貨屋さんの護衛に、イノマ初級1等冒険者同行させます」

 ギルドに報告が必要って知らなかった勉強に成るな。






 順調な護衛旅は2日で終わってしまいました。

 私達は20人の盗賊に取り囲まれています、幸い護衛対象のベンさんの馬車を逃がす事は出来ました。

「イノマちゃん、降伏するよ武器を捨てて!」


このナイフ、モノさんに貰った大切な物、ダメ元で言ってみるか。

「盗賊さん、こんなナイフ私が持ってても脅威に成らないでしょ?こうやってケースに納めるから、捨てるのは許して」


「ちっこくて可愛い嬢ちゃん、そのまま持ってて良いぞ」

「とか言うと思うか?バ~カ!俺が使ってやる!ケースごと出せ!」

盗賊は甘く無い、ヤッパ駄目でした。

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