6章 異世界日本

第45話 スキル異世界渡り

 これが、あのオドロオドロした妖怪魔王か?似ても似付かんわらべがニッコリ微笑んでる。

「15000年、封印されし我は・・・」

「エモン?話し方叙々で良いから、現代風に直そうね!」

「イノマ様・・・了解した!我が言わんと欲するは、我が所有の能力、異界渡りをイノマ様に譲らんと」


「分かった!直ぐには直らんと思うが、努力はする様に・・・?何か入って来た?」

「我が最大の能力、異界渡りを譲り申した!」


「私が?異界渡り、出来る様になった?・・・どうやって使う?」

「今現在、行き来出来るは日本ひのもと世界とこの世界のみ、では有るが行きたき世界はどの様な世界か、思い描けば他の世界にも渡りは可能なり!我は妖怪が住み良い世界を思い描いてこの異界に渡った」



 エモンは「この近くに腹心の玉藻御前が居るはず!ダンジョンの縛りより解放したし」

 との事で、タマモダンジョンに連れて行った。


「ん?総大将!随分可愛く変化されて」

「我イノマ様の配下に降りし!玉藻御前もイノマ様の配下にと、懇願こんがんし申した!」


「良う御座います、イノマ様我らわは真名契約を所望しょもういたす」

「我が名は妖怪大女王、イノマ・コウシン成り!タマモゴゼン真名契約を結ばん!」


 タマモゴゼンからも何か入って来た。

「我らわと真名契約結びしイノマ・コウシン様に、浮游能力を譲らん!」

「タマモゴゼン、以後マモと呼ぶ!」

 エモンもマモも、能力が無くなった訳では無く、私が能力を使える様にしてくれたらしい。

「浮游能力?私は飛べる様になったのか?」


 訳の分からない異界渡りより、浮游能力は有り難い。



 突然通話魔道具の着信音が鳴った。

『イノマ大女王、今通話できますか?』

「イリス大王、良いタイミングだ!イリス大王の故郷、異世界日本に渡る能力が私に付いた、故郷に帰る訳には行かんだろうが、チョッと行って見る気は無いか?」


『僕は日本では死んでるが容姿は当時のまま!渡れるなら是非供に加えて欲しい!』


 日本の事知ってるイリスが同行すれば、災いを未然に防げるだろう。

「転位で迎えに行く!直ぐに来れるか?」

「僕は大王を退位する事は叶わなかったが、国政運営は代理が務めてくれて居る、連絡出来る状態なら何処に行こうと自由の身に成った」


「異世界日本に渡ると、連絡は取れんぞ?」

「何年何十年連絡が取れん状態は不味いが、数ヵ月なら大丈夫!今直ぐ迎えに来て!あっ、ツミヒと美咲姫の同伴は可能か?」


「イノマ?龍神の姿のツミヒと美咲姫は不味いだろう!」

「大丈夫!日本では二人はコスプレで通す」

「こすぷれ?とは何の事だ?」

 現地人だったイリスが、問題無いと思って居るなら大丈夫なのだろう。

 妖怪のエモンやマモが普通に暮らして居た日本なら、カンゲイ世界より目立たんので有ろう。


 説明されても、こすぷれの意味が理解出来ないイノマは、認識の大きなズレに気付かず勝手に解釈した。


「ピーターに造って貰うつもりだったが、通貨妖精のツミヒが同行すれば、お金に困らない」

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