第5話 ナンパ?
箱を抱えてニッコリと笑った彼女。
その笑顔、最高なんですけど!
そんな彼女に、尋ねた。
「あの〜、西高の制服ですよね?」
「………………………………ええ、そうですけど。」
「僕は、1-Aの東山といいます。」
「えっ、私は1-Bの法川です。隣の教室なんですね!」
最初の印象より明るくて積極的だなと、思った。
「ところで、その箱は?僕は河原で捨て犬を拾ってしまって。」
「私もっ!そこの公園で捨て猫を拾ってしまって、これから動物病院に連れて行こうかと。」
お互いに箱の中を覗き込んでいると、
『クゥ〜ン…………………………………』
『フミャ……………………………………』
「………………………………よかったら、一緒に行きませんか?」
まるでナンパだな〜と思いながらも、チョットだけ勇気を出して聞いてみた。
「えっ、是非っ、お願いします!」
「……………………………………可愛い?」
「………………………………………えっ?」
「あっ、にゃんこの事です。法川さんの笑顔も可愛いですけど。」
………………………………失言したかも!
顔中真っ赤になって、俯いてしまった法川さん。
「………………………………初めて、言われました。」
「あれ?何を………………………………」
「………………………………可愛いって?」
「誰も言ってくれなったのかな?」
「…………………………………………はい」
「え〜、こんなに可愛いのにね?」
「………………………………も〜、早く行きましょうっ!」
「………………………………えっ、何処へ?」
「あんっ、もう〜、動物病院っ!」
………………………………そうだった。
ナンパしてたんじゃ無かったよね。
「そうですよっ!ナンパに着いて行くわけじゃないんですからねっ?」
………………………………ヤバいっ、声に出てたんだ。
詰んでしまったかも!
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