第3話 都市伝説
箱に入ったワンコと、見つめあう、僕。
「……………………クゥ〜ン……………」
………………………………駄目だ!見捨てられないっ?
箱ごと抱き上げて、あたりを見回す。
捨て犬なんて、都市伝説だと思ってた。
箱は濡れてなかったので、ここに置かれてからまだそれ程時間は経っていないはず。
………………………………誰も近くにいないしっ!
でも、途方に暮れてる場合じゃ無いっ?
拾ってしまったら、まず、獣医さんだよな?
でも、ペットの診察代はお高いと聞いたことあるしな。
まあ、行ってみて相談してみよう!
今一度、土手の上からあたりを見回してみてもそれらしい人影は居なかった。
改めて箱の中を見下ろすと、不安そうな目をした、真っ白な、ワンコ。
………………………………僕が不安そうにしていたら、この子が不安になるよな。
しっかりしないと!
「大丈夫だからね〜、っとうわたっうっ?」
箱ばかり見ていたら、足元が疎かになって、土階段の土手の上から内側の道路沿いに滑るように落ちてしまった。
※※※※※※※※※※
段ボール箱の中から、私を見上げるように見つめてくる、黒猫。
目が離せないっ!可愛いっ?
「フミッ、フニャ〜ン?」
まだ上手く鳴けないのか、猫らしくはない鳴き方。
見捨てては、置けないわよね。
捨て猫なんて、都市伝説だと思ってたわ。
箱ごと抱き上げて、あたりを見回してみる。
箱は濡れてなかったので、ここに置かれてからまだそれ程経っていないはず。
………………………………誰も近くにいないわね!
でも、途方に暮れてる場合じゃ無いわっ。
拾ってしまったら、まず、獣医さんよね?
でも、ペットの診察代はお高いと聞いたことあるから。
まあ、行ってみて相談してみましょう!
今一度、公園のベンチからあたりを見回してみてもそれらしい人影は居なかった。
改めて箱の中を見下ろすと、不安そうな目をした、真っ黒な、にゃんこ。
………………………………私が不安そうにしていたら、この子も不安になるわよね。
しっかりしないと!
たしか、この通りの向うに獣医さんがあったわよね、行ってみましょう。
歩き出した所で、
「……………………っとうわたっうっ?」
「……………………………………………」
「……………………………………………」
目が、合ってしまった。
………………………………それが、ワンコが入った箱を抱えて滑り落ちてきた、彼との、『出会い』だった。
その時には、まさか彼とのお付き合いが始まって、結婚までしてしまうなんて思いもしなかったけど。
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