傷付いた狐娘を助けたら、化け物になってしまった件〜気が付いたら第3勢力扱いされていました〜

クロスディアⅡ

第1章 ①運命の出会い

第1話 プロローグ

第1話


「はぁはぁ………」


逃げる、逃げる、逃げる。


私は唯ひたすらに逃げ続ける。


そうしなければ、私は奴等に簡単に捕まってしまう。


捕まってしまったら………


「この刀は奪われる!!」


それだけは阻止しなければならない!


この刀は先祖代々受け継いできた大切な物。


いつか、この刀を使い熟す存在が現れるまで守り続けると約束した物なのだ。


あんな奴等に奪われて良い物じゃない!!


「見つけたぞ!!」


しまった、見つかった!!


「待て、怪異風情が!!」


ヤバい、ヤバい、ヤバい!!!


早く撒かないと、この刀が奪われちゃう!!


「逃げれると思うなよ、〔炎神招来〕!!」


ほ、炎が────


「ぐぅ!!」


────えっ?


「ま、マジで本物の炎じゃねぇか!!や、ヤバいな、おい。めっちゃ火傷してるな!!コレ、ちゃんと治るのか!?」


だ、誰!?


というか、何でこの人は私を庇ったの!?


「まぁ、守れて良かった。大丈夫か、コスプレ嬢ちゃん?」


────初めて見た。


────こんな優しい目をした人間を初めて見た。


「────逃げろ。少女を悪漢から守れる位の力はある!」


────この人は、私を守ろうとしている。


────この人は、本気で私を守ろうとしてくれているのだ。


「は、はい!」


────多分、この時だったのだろう。


私が、彼に惚れたのは………


続く


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