EP08.「メトロストリート(その1)」

  11月20日 10:03

  月川市 メトロストリート


関場銀座での一件から二日後、営業中の月川駅地下街での特別イベントでRFSをプレイ用というイベントがあったのでギルドのみんなで来ることにした。受付ブースでイベント参加者受付済みの腕章と探検キットを貰い、イベントエリアに入る。

流石に、買い物客や乗換客で賑わう地下街での戦闘行為は、危険であると言う事なので、謎解きゲームが主題となっていた。

一グループ一枚ずつ、探検キットが渡されるようなのでギルドの皆で固まって一つ目のお題を確認することにする。


"1.初めに赤、次に黄色、最後に青、これが示すものは何か"


「信号機なら普通、最初は青信号でそこから黄色で赤の止れじゃねのか?」

グッタが頭の中に思い浮かんだことを先に行ってくる。確かに、道路用の交通信号なら基本は青信号でそこから赤に変わるから、赤色から黄色にって言うのは何かおかしい。なんかのメーターかと思ったが、これも危険を示す赤色から黄色に変わるのが正常って言うのが分からない。温度計・・・?でも低温だと危険っていうものがそもそも地下街にあるのだろうか?


「赤、止めている時が正常、逆に青、進める或いは、何かを通している時に動作する・・・?」

クロポンが逆の考え方を出してくる。確かに進めない、あるいは止めている時が正常で黄色は少し進める状態、青が普通に進める状態と解釈すれば分かる。だが、止めている時が安全というのは一体。


「まるで定位と反位だな、普段閉じてる状態が正常っていうのは」

シュニンがまるで答えを知ってるのかの如く聞きなれない言葉を出してくる。定位と反位・・・?

「webで調べたけど、普段機器がある状態と異なる状態を示す。鉄道においては、場内・出発信号機は普段は赤信号停止信号が定位で列車の到着、出発を許可するたまに、信号を操作している状態が反位。つまり、どういうことだ?」

入口と出口・・・・。つまりは扉か?普段は閉じていて必要な時通れる扉。


「これあれじゃねのか?中央駅方面出口の隣の扶桑百貨店の入り口、あそこだけ自動ドアのはずだぜ」

確かに、でもそもそものお題が赤から黄色、青色に変わるものだから違うような気がする。


「中央駅の地下、広域鉄道の列車の到着を示す信号機があったはず。時間が近付くと赤から黄色に、到着すると青色になった気が・・・。それか」

クロポンが少し考え込んで、答えを出してくれる。確かに、あそこにある縦型の信号機は赤から変わってた気がする。


そこでみんなで答え合わせのために中央駅の地下広場に向かうことにした。




   ──2──

  10:35 月川市 月川中央駅地下広場


"2.初めに黒き星、原罪への涙で海ができた。そこに陸が浮き出て生命が生まれた。次に原生生物、緑が生えた後に文明が生まれた。それが示すものは?」


この文章は、確かRFSのプロローグ、世界の始まりの一文。確か、この時の背景は地球儀だったけど、これを何かで表せと言われても。


「これRFSを示せってのは・・・違うか」

一つの可能性を提示するものも自己否定する。文明が生まれた、それを意味するものっていうことは、その文明で生まれたもの、あるいはその原生生物を利用した文明の機器を示せと言う事か・・・?

過去の原生生物を使ったものでなおかつ、地下街にありそうなもの・・・。


「これ、原生生物そのものじゃなくて、それが形を変えたものを指すんじゃないのか?」

グッタから意見が出てくる。確かに、そうであれば石炭や石油とかなら文明の発展の末使い始めた過去の遺産と言う事になる。


「石炭なら1番出口の近くにある"街の歴史"コーナーに確か現物があった気がする」

ミナセが一言。言われてみればそんなレリーフがあったような気がするが。何か違うような気がする。が、確証もないのでとりあえず、街の歴史コーナーに行ってることにする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る