第30話

ジャングルに入って数カ月。我々は週に一度の補給の為に人里へ出てきていた。

「これまで足で稼いだ分と様々な目撃情報から野人の出現範囲がかなり絞れました。」

取材スタッフの一人がボロボロになった地図を塗り潰しながら言った。


「恐らく、この川の上流域1キロ四方に野人の生息域があるはずです。」

台風中継から数カ月。今、国に帰ったら我々が「野人」扱いをうける程、過酷な生活も終わりが見えてきた。


「俺の勘がこの辺だと告げている。」

地底人との接触後、病院に監禁されていたが、ようやく開放された俺は、当初の予定通り「野人」を探しにジャングル入った。


「うん? なんだあれは??」

遠くでキラリと光る物を見つけた。


「で、あなた方は野人を映像で収める為に派遣されたと。」

「はい。まさかこんな所で地底人の第一発見者とお会いするとは思いませんでしたが。」

光に近づくと、そこにはテレビ局のクルーがいた。


彼らとは、なんとなく長い付き合いになる気がする…

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