第16話

アポロ計画によって人が月面に立って随分と経つが、その後暫くは月世界旅行は忘れられていた。

月面基地を作ろうと言う機運が盛り上がったのも火星に人を送る為であった。


「月面に基地を作るのは良いが、機密の問題がなぁ…」

あまり大規模に基地を作ると地球上から倍率の高い望遠鏡で覗けてしまうのである。


「かと言って、最低限の備えにしても…」

火星へ行く人員の訓練や資材の作成と備蓄。運用上、狭すぎても問題なのだ。


「地球から見えない位置に作るのは…」

地球からの資材の搬入や通信の問題で月の裏側には手が出しにくい。


「火星に行く前の段階で問題とは…」


複数案が纏められた報告書を片手にため息をつく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る