第9話
「ふぅ。」
望遠レンズのせいでかなり重くなったカメラを持ち、熱帯雨林を進む。
今回のフィールドワークのテーマは「鳥」だ。
画像認識の精度向上の為にあらゆる生物の写真が必要になって久しい。
町中で見かける鳥ならば特に問題は無い。問題なのは今回のような時だ。
「極楽鳥と言う鳥がいるらしいね。」
教授がコーヒーを片手に何気なく呟く。
その瞬間、研究室にいた全員が教授から目をそらす。
「ちょっと現地で写真を撮ってきて。」
目をそらすタイミングが遅かった俺を見ながら、教授が微笑む。
ジャングル行きを回避すべく、国内の動物園をくまなく探すが全滅。
しぶしぶ機材を持ってジャングルへ。
「まぁ、大鯰とか緑の野人の目撃情報がないだけマシか…」
ジャングルに入って3日目。
ようやく極楽鳥と遭遇する。
「これは凄い。」
ターゲットに見蕩れてしまい、写真を撮り忘れた事に気付くまで、そう時間はいらなかった。
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