第4話

「人の欲求ってキリがないよなぁ。」


計算機が吐き出すシミュレーション結果を見ながら考える。


「ちょっと前はシミュレーションが回せる程の計算機資源が無かったのに。」

そう、今では考えられないが、ちょっと前までは紙とペンで計算していたのだ。


「1ヶ月かかってたのが2週間になると欲が出てきて、より速さと正確さを求めだす…」


お陰で仕事は捗っているのだけれども。


「こうも計算が早くなると、迂闊に席も立てない。」


機械に振り回される日々は続く。

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