ショートショート

@Baze1982

第1話

「明日は晴れの『予定』だそうだ。」


人の手によって気象が制御されるようになって、もうかなり経つ。


ゲリラ豪雨や大雪、超巨大台風などに悩まされていた曾祖父達の話を聞いても、その凄まじさがイマイチピンとこない。


「あぁ、良かった。久し振りの旅行だし雨日にあたらなくて」


空気が乾燥し過ぎず、かと言って湿度が上がり過ぎないように適度な間隔で雨を降らす。


スキー場が運営出来るように、山間のみに大雪を降らす。


気象制御で我々は快適な環境を手に入れた。


「明日は早いしそろそろ寝ようか?」


曾祖父が子供の頃に作っていたというテルテル坊主を指で弾いて、部屋の灯りをおとす。

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