パチンカーが異世界行ったら1/319の確率引いて人生確変∞モード突入!!
ぽろん
第一章 秋の旅立ち
第1話 パチンカーと異世界
『ぅあー!!またハズレかよ!!』
バン!っと台パンし、周りの人達の注目と嘲笑を受ける。※台パン危ないし壊れたら弁償代30-40万掛かるのでやらないでね⭐︎※
『あのー、、度重なる注意にも関わらず台パンはするし、本当やめてもらえる?』
パチ屋の店員の怒り声が、苛立っている秋の脳内に投下されていった。
『うるせぇなあ!!だったらもっと出せよ出玉!!てか、もうこの店もダメか!出玉もろくに出せない店には来ねえからな!』
秋は怒るパチンコ店の店員に、子供には見せられない指のポーズをかざし、外へ出ていった。
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『んだよ...今月負けやべえよ。母ちゃんにもこの前四万借りたし、ラタンとかバイフルにも借りてるし、今月まじ返せねえよこれじゃあ...』
秋こと黒羽秋は現在30歳。半年前まではコールセンター会社の管理責任者として、従業員や取引先からも信頼を得て、充実な日々を過ごしていた。しかし、それを良く思わない会社の上司が、秋の名前で勝手に取引先とやり取りをし、その結果上司の対応ミスにより取引先から損害賠償を請求される自体になった。
秋は、メール業務はその日やっていない、文章も秋の書くメールの文章ではないし、そもそも取引先とのやり取りをその日1日行っていたのは上司だった事も社長に伝えた。
しかし物的な証拠がなく、また、秋の名前でメール対応されている事が何よりの証拠と社長は言い、秋に対して減給処分を下した。
そして上司は秋に向かって非情な言葉を浴びせた。
『俺はな、お前が落ちていく姿が見れて嬉しいよ。ありがとうな。』
秋は、信頼していた会社の上司から裏切られたショックで会社を退職し、そこから大学時代にハマっていたパチンコで時間を潰すようになり、今の様な借金まみれの生活になってしまった。
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『俺もう働かないとな。。これ以上自分がクズになるの嫌だし、、。』
そう呟きながら歩く秋はどこか悲しそうだ。
そんな中、ゴーーー!!と秋に向かって突っ込んでくる一台のトラック。
秋は大負けのショックでそれに気づいていない。
『おい!トラック突っ込んでくるぞ!』
通行人の男性の叫び声で、秋ははっとした。
『え?俺死ぬじゃん。』
バーン!!!
秋の最期の言葉は虚しく小さく空気になって消えていった。
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『ん...?ここどこ?てか俺さっきトラックにぶつかったんだけど...』
秋が目覚めるとそこに広がっていたのは、
清々しくて辛くなる青い空と大草原だった。
『なんで俺無傷?これって天国に行ったのか俺?』
ザッザッザッ。
自問自答してる秋の元に近づく謎の人物がいた。
『それは天国じゃないよ。所謂異世界転生ってやつかな?まあ異世界と言っていいのかあれだけど。』
『誰?!』
驚く秋を無視し、謎の人物は話し続ける。
『あー。儂は神様。名前はディスという。
司るのは運命。確かに君はトラックに轢かれて死んだよ。でもね、君が死んだ瞬間、君の今後を左右する運命の台のヘソに君の魂が玉となって入ったんだよ。そしたらなんと...パンパカパーン!!おめでとう!見事に大当たりで、しかも異世界転生ラッシュを引いたんだよ。』
『俺の魂を玉に例えられるのなんか嫌だな...。え?でもなんでそんな台があるの?』
秋は根本的な所を聞いた。
『まあ、儂がパチンコ好きでな。良く現世にもパチンコやりに人間に化けて遊んでたんじゃ。あんまりにもお前が台パンして五月蝿いから、お前がいた店の店員にも化けて、怒ったりもしたが...覚えてない?』
『え?こんな最悪な再会ある...?』
ディスは、秋が生前最後に怒られた店員に化けて見せた。
秋は苦虫を噛んだ顔をしている。
『でも、あの時お前がトラックに突っ込まれて死んだ事を察知して、このままお前が無念な死を遂げるのも可哀想だと思って、お前が一番好きなパチンコで今後の魂の行く末をかけてみたのじゃ。ちなみに運命をパチンコ台で賭けていなかったら、地獄で勤労100年だったんじゃぞ。賭けさせた儂に感謝しろよ。ほっほっほ。』
ディスはいかにも良いことをしたんだぞと言わんばかりに高笑いをしている。
秋はどんな気持ちで過ごせば良いかわからず、
一回深呼吸をして、再度ディスに尋ねた。
『なぁ、俺が異世界に来たのはわかった。
でもここはどこの世界なんだよ?』
ディスは何言ってるんだこいつと言わんばかりの顔をした。
『どこって...最後にお前が遊んでた台
“pダークサイドモンスターズ 319ver.”
の世界だけど。笑
生前負けっぱなしの台だったし、転生して勝たせてあげたいなって思ったから。』
『パチンコの世界にいるってことかよ...。
しかもよりによって、俺が最後に負けた台の中...』
秋は、死んでも俺はパチンコに囚われてるんだと転生したばかりなのにその命を粗末にしたくなった。
『大丈夫じゃ。この台にいるボスを倒して大当たりをして確変さえ手に入れれば、お前は天国へ行き、また人として生まれ変わることが出来る。ただ、確変が引かなければ、もう一度ボスを倒さなければならん。』
『そんなの俺が一番苦手なやつじゃねえか!
何十万この台に突っ込んだと思ってんだよ!
確変突入率50%とは名ばかりに、ほとんど確変は入らない事で有名な台だぞ。』
秋はますます絶望に打ちひしがられていた。
しかし、ディスは何か秘技があるようで
秋に続けてこう話した。
『だがな、この世界は異世界。特殊能力を使って攻略すればボスを倒す事など他愛でもない。儂は運命を司る神。お前が今望めば、能力を授けてやる事も出来る。』
『なら、能力を俺に授けてくれ!』
秋は必死にディスに頼む。しかし簡単には授けてくれないのがこの運命の神だ...
続く
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