台灣旅行記

十井 風

1日目

■出発

 関西国際空港から台湾桃園国際空港へ向かう飛行機は、台湾の航空会社「タイガーエア台湾」を利用しました。台湾で最初に出来た国際LCCだそうです。

 他の航空会社と金額を照らし合わせたところ、価格もお手頃かつ時間帯もちょうどいいのでタイガーエア台湾にしました。

 日本との時差は一時間(台湾の方が遅いです)、時差ボケもないですね。


《タイガーエア台湾利用の注意事項》

 タイガーエア台湾の場合、手荷物預け入れは別途料金を支払う必要があります。機内持ち込み荷物は1人2つ、10kg以内でないといけません。一人旅で荷物がかなり少ない方は手荷物代は要らないかもしれませんが、「着替えや化粧品を持って行きたい」「お土産も買って帰りたい」という場合は、手荷物代を予約時にチケットと共に支払っておくのがおススメです。当日支払いの場合、事前支払いに比べてお値段が高くなるので荷物の重さを計っておくと安心ですね。


 ちなみに、どの航空会社であっても国際線の場合、機内持ち込み荷物の中に液体を入れる場合は、1つ100ml(100g)&個々の容器に入っている必要があります。1gでも超えると持ち込めませんので要注意。

 私はこれで洗顔料と化粧水――200mlでした――を放棄する事になりました。旅をする時は事前の確認は丁寧にしておかないといけませんね( ;∀;)


■いざ、フライト――

 私が乗ったのは、関西国際空港11:30発、台湾桃園国際空港13:50着の飛行機です。定刻通りに出発。LCCなので小さめの機体に乗客がぎゅうぎゅうに詰め込まれるので、前との間隔はかなり狭いです。一緒に行った妹は「peachもこんな感じじゃない?」と言っていましたが、peachより狭いような気がしました。

 なお、タイガーエア台湾では機内飲食は機内食以外不可です。持ち込んだ飲料水や食料品は降りるまで口にする事は出来ません。

 お腹が空きそうだったらオプションで機内食をつけておくと良いですね。ちなみに、当日の機内食はエビピラフ、豆菓子、フルーツジュースのようでした。

 隣の乗客が機内食を食べていたのですが、匂いがめちゃくちゃ美味しそうで空腹に堪えたフライトになりました……。


■ついに台湾到着!

 13:50に機体は台湾桃園国際空港に到着。定刻通りに着きましたが、外国人なので入国手続きに時間を要したため、自由になれたのは15:30頃でした。

 桃園国際空港はとても広く、綺麗な空港でした。観光客は中国から来た人が多く感じましたね。英語圏からの観光客もちらほら……。


 入国手続きを終えると、食料を買うために空港内のセブンイレブンへ。コンビニは台湾の言葉で「便利店」だそう。

 日本のセブンイレブンと違ったのは、肉まんや揚げ物がセルフで袋に詰める方式だったこと。これはコミュ障にありがたいシステム! 私は店員さんに話し掛けるのが苦手で、レジ横の商品を注文できずにいた人間なので、本当にありがたかったです。


 私はマッシュルームとたけのこが入った中華まん、妹は台湾のおにぎりを購入。中華まんは日本の味付けとは違っていました。香辛料が効いていてクセはあるけど、美味しいです。

 台湾のおにぎりは「飯糰」と表記します。コンビニにもありますし、市内の朝食屋さんでもよく見かけました^^

 形は三角形ではなく恵方巻のような円筒型です。中の具はタマゴ・揚げパン(油條)・漬物が入っていました。伝統的な具材らしい。お米の中にパンを入れるのは珍しいですよね。


 腹ごしらえを終えたらホテルに向かうため、タクシー乗り場を探します。

 空港の出入り口にはたくさんの車両が停まっていて、観光客の荷物を積み込んでいたので全部タクシーのようです。


 私達も外に出ようと扉に向かうと、ピーナッツミルク(台湾のポピュラーなスイーツ。甘い牛乳の中に柔らかいピーナッツが入っています)を食べているおじさんに「何探してるの?」と英語で聞かれました。


 「タクシーを探しています」と答えると、おじさん曰く「ここに停車している自家用車は全部ウーバーのタクシーだ。空港と提携しているタクシー会社は、一番端っこの黄色い車両が目印だぜ。値段は空港提携のタクシーが1200台湾ドルから、ウーバーは1100ほど、俺は1000で乗せてやるぜ」と親切に教えてくれました^^


 妹と審議の結果、安い値段で乗れるのは助かりますが、初めて姉妹での海外旅行、女性だけなのでここは空港と提携しているタクシーを使おうということになり、おじさんにはお礼を言ってお別れ。


 その後もタクシー乗り場に向かう途中、ウーバータクシーの運転手さんからの熱い歓迎を受けましたが、丁重にお断りしてタクシー乗り場へ。黄色いタクシーがずらっと並んでおり、乗客をさばいているお兄さんに行き先を告げます。

 そうすると、レシートみたいなのが貰えるので降りるまでは自分で持っておきます。ちなみに、お兄さんは日本語で「少々、お待ちくださいね」と話してくれました。日本語で話し掛けてもらえるとなんか嬉しいですね。


 お兄さんが手配してから数秒で私達を担当する運転手さんが到着。キャリーケースを私の手から鮮やかな手つきで預かると、トランクへ入れてくれました。ホテルの住所を見せると、Googleマップに登録。車にナビはないようで、会社支給のスマホで道を確認しているようです。ちなみに、運転手のおじさんの私用スマホもあり、インスタグラム開いてました。(画面見えちゃった^^;)


 住所も登録し、いざ出発! 台湾では後部座席に座る人もシートベルトをしないといけません。そして、ここから私の地獄は始まったのでした――。


 運転手のおじさんは良い人なのですが、運転が荒い! 運転中にラインの返信したり通話したりは当たり前、高速道路も頻繁に車線変更するのですが揺れる揺れる! 極めつけはカーブでの加速!!


 冗談抜きで死ぬかと思いました……。

 日本でも乗り物酔いをするのですが、このおじさんは別格。胃の中はシェイクされ、フライトで疲れた体には耐えられません。危うくマーライオンになるところでした。乗り物酔いする方は対策が必須です。台湾のタクシーやバスは、よく揺れる&運転が荒い人が多いのでエチケット袋はすぐ取り出せるところに入れておくと良いですね。


■ホテルに到着!

 夕方だったので高速道路や下道は混んでいました。空港からホテルまではおよそ45分、値段は1350台湾ドル。

 運転手さんにお兄さんから渡されたレシートを渡し、タクシーから転げ落ちるようにして降り、いざホテルへ。

 泊まったホテルは「シティ ホテル 台北(北城大飯店)」です。コスパ◎、アクセス◎の良いホテルでした。フロントは24時間対応可能です。日本語が話せるスタッフさんもいるよう。


 私達は素泊まりだったのですが、地下1階にはレストランがあり朝食をホテルで食べる事が出来ます。(有料)

 ホテルの部屋は、シングルベッドが2つの一般的なお部屋。綺麗に清掃されていて、気持ちの良い環境でした。トイレとお風呂は同じですが、部屋が広いので気になりません。ウォシュレットはありません。


 《アメニティ一覧》

 コップ、飲料水、お茶、ドライヤー、石鹸、シャンプー、ボディーソープ、シャワーキャップ、バスタオル、フェイスタオル、バスマット、歯磨きセット、スリッパ(使い捨て)


 車酔いで瀕死の状態だった私は、少しベッドで休ませてもらいました(笑)


■街を散策

 動けるようになってからホテル周辺を散策。

 街を歩いて感じたのは交通量が多く排気ガスの匂いが強いこと、路上喫煙は当たり前という感じなので副流煙をもろに受けます。台湾は南国なので暑いですが、臭いが気になる人、呼吸器系に不安がある方はマスク必須ですね。


 ホテルから歩いてすぐの所に果物屋さんが。果物大好きな妹は嬉々として入っていき、よく分からない品種の茶色いバナナと龍眼を購入。他にもドラゴンフルーツやパパイヤ、見た事ない果物がたくさん売っていました。日本でも見る黄色いバナナは、日本で売られているものよりも大きく長く、本数も多かったです。


 次に向かったのはスーパー。ホテルから徒歩5分ほど。

 店内は日本と変わらない感じ。野菜もあるし、果物もある。驚いたのは外国からの輸入品がよく並んでいました。もちろん日本製品もありましたよ!

 それと、牛乳やジュースなどの飲み物は、日本と同じような大きさの容器もあるのですが、アメリカンサイズも陳列されていました。日本と変わらない所もありつつ、アメリカンを感じる台湾。


 スーパーでは飲み水を購入。水道水は口に含む事も出来るようですが、歯磨きに使う程度が良いようです。飲料水はスーパーやコンビニで買う方が良さそう。

 値札を見て驚いたのは、100ml単位での価格も表記してくれていること。容量と値段が異なる商品を比べる時にいちいち計算しなくても、一目で判別できるのは本当に助かります。


 飲料水ですが、台湾のお店ではサービスのお水・お茶は出ません。欲しい場合は注文しないといけないので持ち歩きは必須。よく飲む場合は、重いけど2lくらいを持ち歩くのがおススメです。台湾は暑いので水分補給は忘れないでくださいね。


 今回、スーパーでは数日分の飲料水とパパイヤミルクを購入。パパイヤミルクは甘いフルーツオレのような味で飲みやすかったです。


 晩御飯を食べる前に、少しだけ腹ごしらえということで「春焔老潼関創意肉夾饃小巨蛋店」へ。台北アリーナ1階にあるお店です。サクサクの生地にスパイスが効いたお肉がぎゅうっと入った食べ物(Googleの口コミでは肉まんと書かれていました)が有名らしいので行ってみることに。


 注文したのは羊肉。日本人という事を知った店員さんが優しく注文の仕方を教えてくれました。待つこと数分。アツアツの肉まん(らしいもの)が運ばれてきます。

 ハンバーガーみたいにサクサクの生地で中の具を挟んだ感じです。生地は油っぽくない春巻きのような食感。中の羊肉は何かのスパイスが効いていて美味しい! 羊肉ってクセがありますが、ほとんど無くとても食べやすかったです。きゅうりもあるので味に飽きる事はありません。


 食べた後、店員さんへ「很好吃(めっちゃ美味しかったで!)」と伝えたところ、笑顔で「Thank you」「Welcome Taiwan!! サヨナラ~」と手を振ってくれました^^


■遼寧街夜市にレッツゴー!

 台湾に来たからには夜市は外せません。ということで近くの遼寧街夜市へ。ホテルから徒歩10分ほど。街頭が少ない路地を通る事もあるので、女性だけ行く時は注意しながら歩いてくださいね。台湾の治安は日本と同じくらいだそうですが、気をつけておくことに越したことはありませんので。


 この日は平日だったので人はそこまで多くありませんでしたが、それでも活気はありました。海鮮料理やガチョウ料理のお店が賑わっていましたね。

 ネット情報によると遼寧街夜市にあるお店は老舗店が多いのだとか。確かに建物が古いお店が多かったです。


 美味しそうな料理と臭豆腐の匂いに包まれながら散策すること、数分。

 店名は分からなかったのですが、地元民で賑わっているらしいお店を発見。入り口で「Excuse me」と蚊の鳴くような声で話し掛けるも、店員さんは忙しいのか目が合っても無視されてしまいました( ;∀;)


 お店前で妹とどうしたら良いのか分からず、立ち尽くしていると、地元の方が後ろから「並んでるの?」と話し掛けてくれました。言葉が分からないのでどう返事をすればいいか分からず、とりあえず食べたいメニューをスマホで見せることに。すると、奥で商品を運んでいた男性店員を呼んでくれて、私達の注文を聞くよう話してくれました。


 台湾に行って思ったのは、人が優しいんですよね。困っていたらさりげなく助けてくれる方が多かったです、ありがたや……。


 男性のサポートもあり、無事に注文が出来ることに。頼んだのは「牛肉麺(小)」と「水餃子入りのスープ」。水餃子はニラ入り・無しを選べるようで、私達はニラ入りを注文。


 中に入るとテーブルは埋まっていたので、一番奥の誰もいない所に座って待つことに。ここで知ったのですが、この店なのか相席が普通らしく、既に座っている人がいても、お箸や調味料が置いてあるテーブルに座らなきゃいけないようです。女性店員さんに「こっちに座るんや」と教えてもらいました。


 料理が来るまで店内を観察。テーブルにはお箸と何かの調味料が。ウェットティッシュや紙ナプキンなどは無く、店内の二か所の壁にティッシュが設置されていました。後から気付いたのですが、ティッシュは店内の壁に設置してある所は他にもあったので一般的なのかも。


 料理はすぐに運ばれて来ました。「牛肉麺」は大と小を選べるのですが、小でも十分大きい。日本の一人前くらいはあるんじゃないかな。

 スープはピリ辛ですが、辛いのが苦手な人でも耐えられる辛さ。肉のうま味がぎゅうっと染み込んだスープは、気付けば飲み干しているほどの美味しさ。うま味が濃厚なのに重くない。それなのに味は薄くない。すっごく美味しかったです。

 麺は少し太めでよく絡み、チャーシューのように入った大ぶりの牛肉は中まで味がしっかりと染み込んでいて最高。


 ニラ入りの水餃子は、餡がぎっしりと入っていてプリップリ。破れないのは皮は手作りなのでしょうか。日本で売られている皮よりも分厚いです。

 お肉とニラがマッチしていて、ほっぺが落ちるんじゃないかと思うくらい美味しいんです。まじで味付け教えて欲しいくらい。

 そしてプリプリ餃子が入ったスープは、鶏ガラっぽい味付けでさっぱりしています。こちらも飲み干せちゃう美味しさ。餃子と一緒に食べると美味さがさらに加速。


 めちゃくちゃ美味しい料理に満足し、お会計へ。お店を出るときに店員さんが「Thank you」と言ってくれました。こちらも「謝謝」で感謝の意を。


 その後、散策を続けていると、何やら美味しそうなドリンクを売っている「五桐號 Woo tea」というお店を発見。

 私は季節限定メニューの緑茶のゼリーが入ったドリンクを、妹はココナッツミルクにもちもちしたタロイモを使った粒が入ったドリンクを注文。


 私のドリンクはゼリーがとにかく爽やかでさっぱりした味わいでした。味の濃いものを食べた後に飲むとお口直しになるかも。ゼリーはちょっぴり苦みもあるけど、乳酸菌入りのカルピスみたいなドリンクが甘いのでちょうどいいです。


 妹が注文したココナッツミルク in タロイモ粒は、甘さ控えめのココナッツミルクにタロイモ本来の甘さが活かされたタロイモ粒がばっちり合う! 上に少ししょっぱい生クリームがあるのですが、味が喧嘩せず超仲良しになるから不思議。


■1日目、終了

 ドリンク片手にホテルへ戻り、この日は終了。料理も美味しいですし、言葉は分からなくても何とか通じるので旅の不安は楽しみへと変わりました。今の時代、翻訳アプリもありますしね。

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