とりあえず書けという話

「俺の超大作が現実になればアニメ化間違いなしなのに、文章が思いつかないせいで脳内で留まっている~バカアホ書け~」


 わーパチパチパチ。


 エッセイは何にも考えず書けるのに小説は全然書けないのなぁぜなぁぜ?


 ハードルが違うからですね、ハイ。ウェブ上の不特定多数の創作者に向けて自分の脳内さらけ出しているのと、書籍化コミカライズ化果ては大ヒットアニメ化映画化をしてほしい小説ではねじ込むこだわりも慎重さも違うわけですよ。


 例えば私のこのエッセイには伏線があるわけでもドラマが展開されるわけでもないですし、人の死が描かれるわけでもラブコメが展開されるわけでも、登場人物がいるわけでもないですからね。


 私の黒歴史げっこうちょうを垂れ流しにしているわけです。


 まず設定をつくりこまないと話が広がらなくて詰み、キャラクターが魅力的でないと読まれないから詰み、ストーリーが面白くないと詰み、冒頭の書き方を間違えたらアウト、展開がゆっくりでも強引でもアウト。


 読者の離れる要素は無限大。私の表現できる範囲は有限。


 これイラストあればどうにかなると思ってる人いるんですけど漫画でもアニメでも同じですからね。でないと「クソ」の冠がつく作品が生まれないですから。


 書き手には大なり小なり「踏み外したら終わり」の感覚があるわけですよ。それが筆を止めるし、足踏みさせる。


 読者がいるわけですし人気を出したいわけですし、クオリティを上げたいわけですから当然の行き詰まりなわけですね。それが本当に自分が書きたいものならなおさら。


 はい。


 とりあえず踏み外してもいいので書きましょう。


 気持ちは痛いほどわかります。私もそういうときあります。でも文章で書きだしてみましょう。


 アクセルを踏まないと走り出さないんです。


 とりあえず書いて次の日の自分に見てもらう。気に入らないなら書き直す。そしてまた次の日の自分に見てもらう。


 その場の熱量で粗削りだった展開や文章はそれで洗練されていくでしょう。


「その作業どこまでやるのか」。納得行くまでですね。


 場合によっては数年後とかにまるごとリメイクも考えてください。私は『太陽の拳』を完結させるのに数年かけました。だいたい24万字。24万字にそれだけかけました。格闘小説であまりウケてませんがね。

 ま、私が気に入っているのでいいのです。大満足でした。


 とりあえず自分を満足させてください。期間も文字数も問いません。これは「書き上げた自分」が満足するんじゃなく「読者の自分が満足する」話にするんです。なので、設定とか忘れたころに読み返して「やっぱ面白いじゃん」ってなる作品にするんです。


 私の「書け」は量を書けとかそういうのを言ってるんじゃないんです。そういう体験をして、経験を力にするために書けと言ってるんです。


 流行りのなろう系でも、1990年代の作品風でも、平成のラノベっぽい作品でも、子ども向けの作品っぽいやつでも、何でもいいんです。


 何がウケるかじゃなく、何が好きかで作品を書いてほしい。


 そこに情熱は宿るし、伝われば読者の心は掴めることでしょう。


 小説を何かのサイトに公開するのが怖いのであれば友人とか、そういうのを受け入れてくれそうな人がいれば読んでもらってください。


 え? いたら苦労しない?


 なかまがいるよ! サラッと読みますぞ。

(とはいえあまり長すぎるものを相談されても時間とるのが難しいかもしれません)。


 とはいえ素直に感想を言うとトラブルになりかねないので、避けている節もあるのです。なので、意見が欲しいとなると真剣に言われるのを覚悟している、受け入れられる人に限りますがね。


 カクヨムには下書き共有機能があるのです。ネットの人でも頼れそうなら頼りましょう。


 私は前回でも話しましたが運命コンで書いた作品が課題だらけだったので反省中でございます。話が散らばり過ぎましたね……。


 何かに挑戦して課題を見つけないとより良い作品にはできないと思うのです。


 なのでたくさん書いてたくさん失敗して、たくさん成功しましょう。


 ただ「書けばいい」というわけではないのであしからず。


 今回はここまで。



あとがき

 創作相談できる相手、大事ですよね(ぼっちゆえの遠い目)。


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