属性に魅力はないが、魅力的なキャラには属性がある

「◯◯って何がいいんだろう?」って思ったことありませんか?


 例えばこの空白部分にぼくっ娘を入れてみます……は? ぼくっ娘は素晴らしいだろうがガキが……舐めてると潰すぞ。


 ……というのは冗談で、何がいいのかわからないのは当然なわけです。魅力的なキャラのほんの一部分を抜き出したところでそれが魅力の全てではないわけですから。


 あらゆる属性の集合体をどれだけ嚙合わせるかがキャラの魅力につながるわけですね。


 そもそもその属性のキャラが全体的に好きじゃない場合はどうするのか? ……あえて言うなら「趣味じゃない」です。

 あなたが魅力に感じないものをどれだけ理解しようとしたって、魅力を感じなければ始まらないのです。なので、自分の欲望に素直になりましょう。


 電車を好きにならないと魅力が全くわからないように好きじゃない要素を取り入れてもあなたの長所にはなりえません。あなたの好きを武器にしましょう。要するに理解しなくていいです。

 趣味じゃないジャンルを読ませる力がある作品はだいたい尖ってるんです。


 説明してみましょうか。


・レニー・ユーアーン 『ソロ冒険者レニー』の主人公

一人称 オレ

二人称 キミ アナタ アンタ


見た目 中肉中背。童顔で中性的な男。薄桃色の髪に、紫の瞳を持つ。


 とりあえずここまで決めたとしましょう。

 まずなんで一人称が「オレ」なのかというところですね。え? あんだけぼくっ娘言ってたのになんでぼくっ娘じゃないのかって?

 この作品、ボクッ子出るので気になる人は読んでくださいね(露骨な宣伝)。


 それで話を戻すんですが「オレ」がなんで俺でもおれでもないのかということですね。

 若いアピールです。「俺」よりも「オレ」のほうが若々しいイメージしませんかね。「おれ」じゃないのはもっと子どもっぽいキャラに使いたいからです。あと、後述しますがこのキャラは中性的な顔と体格なので女装をします。男性らしさを少し薄めたいけどしっかり男性であることをアピールしたいので「オレ」を使うといった感じです。


 ならボクを使えよって? 男の娘だったら使います。


 二人称もカタカナですが一人称とほぼ同じですね。「キミ」は親しみを込めて、「アナタ」は目上、「アンタ」は雑に対応するときに使う、みたいにざっくりイメージしてます。


 見た目は正直何でもいいんです。好みでいいです。

 薄桃色の髪にしたのは女性っぽさを感じさせる色にしたいな、でしかないですし、中性的な顔にしたのは「女装したときにばれない程度の容姿にしたい」だけでした。盗賊を騙し打ちするときの手段のひとつにできれば、と思っていたのでそういう「見た目も利用するタイプ」の人間にしたかったわけですね。とはいえ精神的な面はちゃんと男なので一人称とか普段の行動とかでそういうの見せていけたらなぁと。


 ま、ぶっちゃけこんなに明確に考えてキャラ設定決めてるわけじゃありませんがね(おい)。

 ですけど「何でこういうキャラなの?」というのは説明できたほうがいいと思うんです。推しの魅力は語れたほうがいいでしょう?


 精神的に幼いのであれば「ぼく」でいいですし、普段が無口なら会話をするぎこちなさがあるでしょうから慣れていなさそうな「ボク」にしてもいいですし、イケメン女子で完全にものにした「僕」を使っているのならそれでいいですし。


 ワイルドさを出したいなら「オレ」でも「オレさま」でもいいですし、やわらかい印象を持たせたいなら「わたし」でいいですし。


 そういうものの積み重ねがキャラを魅力的にさせるのだと思っています。


 なので、好きなキャラつくりましょう。好きなキャラをつくれば、つくったあなた自身がまずファン。そしてひとりファンがいるなら他にも同じ考えの人は千人はいるでしょう。ハードルが高いのはその同じ考えの人に作品を届けられるかどうかというところですね。


 誰か幼馴染でショトカ青髪の元気なボクっ子がヒロインのラブコメ書いてくれませんか……?

 え、自分で書けって?


 書きたいものと読みたいものはまた別なんで……


 今回はこの辺で。



あとがき

ボクッ子でもぼくっ娘でも僕っこでもいい。ぼくっこの可能性は無限大。なので表記ゆれではない(言い訳)。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る