第19話 翌日(沙月編)
学校に足を踏み入れた途端、あらゆる生徒から白い目を向けられた。
「元カレの悪いうわさを流すだけでなく、痴漢をでっち上げようとしている女だ。危険人物、危険人物・・・・・・」
沙月は話を極秘でしていたはず。情報はどこから、漏れてしまったのか。
「それって本当なの?」
「本当だ。ボイスレコーダーに録音されている」
ボイスレコーダーに録音されていると知り、顔面から大量の汗が噴き出ることとなった。
「あの女だけでなく、英彦という男も協力しようとしていたみたい。学校中を恐怖の混乱に陥れる男女コンビ、男女カップルかもしれないね」
粘着質な男とコンビですらありえないのに、男女カップルとみなされるなんて。ストーカーまがいの男と交際するなら、元カレのほうが∞マシだ。あいつは何のとりえもなかったけど、忠実なしもべとしての価値はあった。
学校内の事情を知らない、粘着質男が挨拶をしてきた。タイミングのあまりの悪さに、心の中で絶望するしかなかった。
「速水さん、おはよう」
英彦は興奮しているのか、周囲に聞こえる声で話をする。
「男を地獄に落とす計画は、どうなっているの。すぐに実行できるようにしてもらいたいんだけど・・・・・・」
空気の読めない男に対して、強烈な視線が送られる。
「目的を果たすためだけに、他人を地獄に落とそうとするなんて。あの二人とは絶縁しないといけないね」
「そうだね。あの二人は、学校の危険人物だ」
英彦は状況に気づいていなかった。
「速水さん、早く計画を・・・・・・」
バカと組もうとすると、自分に跳ね返ってくる。策を実行するためには、頭のいい人を選ぶ必要があると学んだ。
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