ばけものになって

碧山

第1話ばけものになった。

 男はふらつきながら夜を歩く

 街頭の乏しい住宅街の中ボロボロの体を引きずって片手には使い古してクタクタになった鞄ともう一方には会社の紙袋をもって。

 体は限界に達し歩くのもままならない。一ヶ月ぶりの自宅への帰宅である。

社宅はおんぼろのアパートで外階段を登り一番右手にある部屋へと行き震えの止まらない指先で鍵を持ち鍵穴へ向けると手が滑り床に落としてしまう。

 ふらつきながら一度しゃがみこみ鍵を拾うとふらふらとしながら立ち上がり右によろけたが気合いで立て直す。

 

 鍵穴に鍵をはめて鍵を捻り”カシャン”と鍵の開く音を確認しドアノブを捻る。

 部屋は1LDKの独り暮らしには十分な広さで苦労もしない。

 家にいる時間より会社にいる時間の方が圧倒的に長いからでもある。

 玄関に靴を脱ぎ捨て、ダイニングの椅子に先程着ていたジャケットとヨレヨレになったネクタイを掛け寝室へと行った。

 寝室にふらつきながらいくとドアの前に付くと小さな音だが雑音がし正気に戻る。

 中になにかがいる。

 

 ぼろいアパートであって少し前にネズミが出たことはあったがそのときは派手にドンドンと音をならしていた。

 おそるおそるドアを開けるとそこには衣類が散乱した散らかった部屋と目だし帽をした小太りの男が衣装棚をあさっていた。

 とっさに「誰だ!」と叫んでしまい男はびくつきこちらを見て目が合う

 すると男はボディーバックから刃渡り15cmほどのあるダガーナイフを取り出して左右に振る。

 あまりにも危険だが逃がす訳にもいかないためじりじりと近づくと強盗はナイフを振りつつ後ろに後退していく。

 強盗の後ろにはベランダがあり鍵の付近にガラスの亀裂があり左手でベランダの扉を開けようと手探りで鍵を開けようとしたとき強盗はパンツを足で踏み足を滑らせて転んだ。

 それを確認し詰め寄ると強盗のナイフを持った右手は頭部部分にあったためその腕をつまみ馬乗りになり揉み合った。

 どのように揉み合ったかはあまり記憶にはないが気がついたら強盗の腹部に刺さっていた。そのナイフはささった位置より下に滑っており腹部がぱっくりと開いていて意識はなくぐったりとしている。

 

やってしまった。


 手にはベッタリと男の血がついており怯えて死人から距離をとるとズボンにも付着している。

 どうしたらいいものか。

 

 とりあえず警察に電話と思い寝室を離れジャケットのポケットにあるケータイを見ると電源が切れている。そういえば七日前に電池が切れたのだった。家には固定電話はなくアパートに住む唯一のご近所さんは先週不倫がきっかけで会社にいづらくなり退社をしたため現在アパートにはいない。


 でも、なぜか無償に気分がいい小太りの男は現在の上司に体型がそっくりでその上司は部下の手柄を全て自分の手柄にし無能。社長とは手を組んでいるのか、洗脳をしているのか。過去にこの事案を社長に言いつけた若手社員は社長に無かったことにされた。

 若手社員は年齢層のた会社員にいじめられいずらくなり退社をした。

 

 私も入社してすぐに上司の下につき働いていたがいっとき応援で大阪の企業に移動になり二年前に帰ってきたばかりだ。

 で、これをどうしようでももうつかれて何も考えたくない。

よし、寝よう

 おやすみ

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