23日目 呪殺。

やっと儀式が始まった。



しかし、この転移者は才能がある。


死ぬ才能なんて観測できるのは神目線くらいなものだ。


管理者に成り下がった私でもまだ神目線でいられる余裕があるのだな。

ここ最近感情をかき乱してくれる転移者には少し感謝をしている。


本当に何も考えずにただ眺めるだけだったのに、『手がかかる子ほどかわいい』という言葉があてはまらないのがわかるが……他に例えられる言葉が無い。




この転移者は天使を怒らせてしまった。



結果、呪殺された。



激怒したエルフが何をするかもうわかりきっていたため、早急に時を戻した。


少しだけでも可能性のある結果に逸らさねばならない。



感情が戻ってきたが、力は相変わらずほとんど無い。




それだからだろうか。


私は、いつの間にか神に戻りたいと願うようになっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る