天姫vs恒星②
「戦おう恒星!」
あーもう頑固な天姫はきっとどう言ったとしてもやめることはないだろう。
「せめてハンデをくれ。」
「むり 恒星ならできるって。」
始めたてのレベルなしの自分になにができるのか教えて欲しい。
「そろそろいくよTYPE雨。」
ポツリポツリと雨が降り始めてきた。
そして天姫が傘を差す。
「この傘は実はとあるモンスターから落ちたアイテムでね。私の魔法と相性がいいんだよね。
」
「へ へぇー。」
「とりあえずこれ避けてね。 雨の
次の瞬間、降っていた雨がすべて弾丸に変わる。
「ちょっ!まてって」
持ってるのは初心者の杖一つ。持ってる魔法は星落としのみ。
「よく視ろそして考えろ。」
天姫の雨の弾丸なるものは範囲魔法だろう。そして雨とはいえ土砂降りというわけではない。仮にそうだとしたらもうデスしてる。
「一撃いれれたら勝ちってことにしよ。」
「発射!」
雨が一斉にこっちをむいて降り注ぐ。
「はぁ!」
雨が当たる前にぼくは杖を弾丸に合わせる。
カンっとシステムが弾を弾いた音が聞こえる。
とりあえず第一の関門クリア。
初心者の杖は攻撃力は1とひどいものだが耐久値は∞となっている。
つまり絶対に壊れない盾になる。
「うぉー!」
カン カン と弾く。
さすがにすべてを弾くことは無理なため直撃のみを防ぐように弾く。
「やるね恒星。でもまだまだいくよー!」
雨の勢いが強まってくる。
「勘弁してくれ。」
幸いにも弾一発一発のダメージは低く始めたての自分のレベルでも耐えれる。
といっても直撃されるときつい。
「だが、いいのか天姫?」
「なに?」
「その距離は僕の範囲だぜ!」
天姫と様々なゲームをやってきた。天姫はVRゲームの適正が高いのかことごとく負け続けていた。
だか一つの一対一の対人ゲームだったが勝ち続けていた。
「しまった。」
そのゲームはどちらが先に相手に居合を当てれるかというシンプルなものだったが、その範囲内からであれば僕は天姫に勝てる。
「見様見真似抜刀術」
持ってるのは初心者の杖で刀ではないので、あくまで真似事。
必殺とはいえないが、技をかっこよく叫ぶのはやっぱり男の子の嗜みの一つだよな。
そのゲームから名前を拝借して。
「雷切!」
踏み出した歩は天姫の首に伸びる。
技の関係上天姫の雨はこっちに飛んでこない。
じゃないと天姫も被弾してしまう。
慌てて傘を盾のように持ってこようとする。
アジリティなんてこっちの方が低いのはわかってる。ただこっちが持ってるのは刀じゃなくて杖だぜ。
「!」
天姫の気づいたようだ。
ぼくはあえて杖の後方の方を持っていた。
つまり絶対に首どころか体にさえ当たらない。
刀であれば刃を持つ行為であり世ほどのことがない限りこの技は出来ない。
そして返すようにもう一方に構え直す。
「見様見真似抜刀 雷切 二連!」
杖の先端少し丸みを帯びた部分が無防備は頭にぶつかる。
このゲームは弱点のみ確実に1以上のダメージを与えられる。
「よっしゃー!」
さらに頭部のおかげでスタン状態になった。
「よしもう一発!」
今度は杖を両手をもって振り下ろそうとしたが、
バンと背中に銃弾が通った。
そこでぼくは気づく。
「お前それマニュアルオート操作かよ。」
スタンしたことにより制御が聞かなくなった技は彼女の周りにも飛んでくる。
ギリギリで戦っていたためその一撃でHPは0になる。
YOULOSE
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