ブラッドメア
吉。
第1話 1807日前
2023.12.24.PM.8.00東京都江東区
「血に染まる聖夜があってもいいよね」
真中祥人の耳には一瞬そんな不気味な声がした。しかし10歳の少年にそんな言葉は響くどころかあまり理解をしていなかった。そんなことを放り投げ彼は久しぶりに帰ってきた幼馴染の凪とパーティをしていた。机に広がる数多のケーキ。それに目を輝かせるも母は水を差した。
「最初に食べるのは凪ちゃんだし選ぶのも凪ちゃんなのよ。あんたはそのあとよ」
その家を笑いの渦へと彼は巻き込むのであった。
「祥人くん一緒に選ぼうよ。祥人くんが食べたいの残したいし。」
凪のその一言に祥人は救われたかのような表情をすると母がいち早く察し
「凪ちゃん。いいの?この子すぐ浮かれちゃうから甘やかしは程々にしてよ。」
「ちょっとお母さん。すぐ浮かれないってばあ」
笑いながらこたえる。そしてみんなが笑う。もうみんなが笑えばそこにはもう邪魔は入らないのだ。祥人はそう思いながら遠慮なくチョコケーキを取り
「うーん。甘くてとてもおいしい」
そう、笑顔で言った。
「もう食べてるの!?丁寧に食べなさいよ。」
何度目かわからない指摘に
「もうわかったてば。」
祥人は呆れたように言う。空間は祥人を見守るかのような暖かい空気になった。祥人自身もずっとこの時間、区間が続ければいいのに。そんな些細なことを思いながらチョコケーキを頬張った。
「私はイチゴのチーズケーキ貰うね。」
「一口上げるから一口頂戴よお。」
祥人は笑いながら強引に言う。母もこの傲慢ぷりに呆れたのか
「凪ちゃん。うちのバカ息子がごめんね。」
と笑いつつ言うようになってしまった。そんな楽しいクリスマスイブはみんなは終わることを知らないのだった。
「凪ちゃんプリンもあるわよ」
母が思い出したかのように慌てて言う。祥人も慌てて
「あ、僕も食べるここのプリンおいしいから。」
「はいはい、あんたの好物だもんね。いっぱいあるので是非食べてよ。凪ちゃんも遠慮なくいいわよ。」
母の珍しく自分を肯定してくれるような言葉に
「うん!」
と祥人は元気よく応えた。凪も元気に答えたのが不思議なのか祥人は凪のほうを見ると凪も祥人のほうを見ており二人は笑いあった。
この時間がずっト続ケバイイノニ、、、コノ幸セヲズット、永遠ニ
音は突然と轟くそして鳴り響く
「緊急速報謎の力により東京は崩壊するかもしれない」
サイレンと共に。東京の街に響き渡る。
「この街ともおさらばだ。最期となれ。そして言おう私は聖夜の契約者ディンだ。無様に死に給え。」
祥人は今でも鮮明に覚えている。母に守られ祥人と凪は共に避難所へとかけつけたのだった。祥人は慌てていたずっとずっと。凪を守らなきゃという不安がずっとずっと心を支配していた。多くの人が駆けつけるこの地下駅は人々でいっぱいになることはなかった。祥人にはここで何日も過ごす覚悟が完全にできていた。しかし悲劇は突然とやってくるのを誰も知らないのだった。
「大丈夫。凪。今日はここですぐ寝て。」
「ありがとう。祥人くん。」
凪も寝てそこにいた人は皆眠りについたのだった。もちろん祥人も。早朝に目覚めたのか周りの人々は皆ねている。
「凪がいない。どこに行ったの。」
凪がいなくなっていたのだそれに対し焦燥感をみせ祥人は外へといった。そこはもう荒野のようであった。しかし自分が住んでいたマンションの跡は廃墟のようになっていてそこへと行く。昨日の思い出、凪を思い出し涙がふと出るのだった。床は謎の色をしているそう思いながら。
「油断しすぎるなよ『器』」
「『器』ってもしかして俺のこと」
「お前が知ることではないさ。あと間もない命のやつには知る由もない。殺せてよかったよ『器』ここもほぼ制圧できたしこんな得なことはないさ。」
「お前、ディンってやつか」
「あんな無能と一緒にしないでくれよ。死にかけに名を教えるのも面倒だが言おうじゃないか。俺は白夜の契約者キュラス。早くmember34を見つけないとな。最高の実験体だからさ。あ、そうだ早く死ぬんだぞ『器』」
そういいキュラスは笑いながら場を置き去りに去っていく。
いつ死ぬんだろう。祥人にかけられた契約能力(コントラクト)〈白夜〉とよばれる冬の場合一秒が一時間以上に感じ死まで耐え続けなければいけない呪のような力をかけられてしまった。それが苦痛で自分の中ではありったけの時間が過ぎるのに実際には1時間も経っていない。苦しくて苦しくて祥人は苦しみ続けて凪の幻影を見て息を引き取ったのだろう。
1807日後2028年12月4日AM.7.00
「祥人は死んだのかな。ここにいるはずだけど。どこで死んだの。私、凪だよ帰ってきたよ。」
私は一生懸命に声を張り上げ続けていた。1時間くらい過ぎたのか疲れて私はそこに横たわってしまった。
一方
「こちら勝見。ただいま暗黒の聖夜現場へと調査しに行ってまいります。」
「何か異常があり次第こちらまで伝えろ。これがヴィジランテの基本だ。」
「了解した。」
私は起きた。そこは謎の場所で目を覚めると一人の男が
「ここはヴィジランテ本部医療室。俺は勝見だよろしく頼む。君は裂戒ノ適正名称アポカリプスを持つみたいだ。この力は裂戒にたいして適性を持つ文字通りのもので裂戒の直接攻撃を除くものを防ぐことができ。裂戒または契約者にたいしまともに攻撃を与えられ裂戒を葬るために必要な力。そして君は罪の力(ギルティ)と呼ばれる現在と過去の交錯点の接触により発生する特殊能力の一種だ。君はそれを持っている。」
私は信じ難かったが信じる以外何もなかったのだ。
「ああ、起きたのかい朱雀凪さん。わたしは笠良木だ。何かあれば言ってこい。これから仲間として頑張ろう。共に。ああそう君の相棒は空崎黒狼という男だ。とっつきにくいかもしれないがいい男だ。大切にしてやってくれ。」
「はぁ。」
私はただ指示に従うことしかできなかったのだった。それと同時に私の執行者としての生活が出会いと共に始まるのだ。でもそれは、
禁忌悪夢 ブラッドメア
能力を表す壮絶なものになるのかもしれないのだろう。
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