この素晴らしい世界に祝福を!【この素晴らしい赤ちゃんに祝福を】

三崎和哉

第1話 「これって現実?!」

 「駆け出し冒険者の街【アクセル】」

この街は意外にもこの世界で最も注目を集める事となっている。

それは駆け出し冒険者でありながら魔王軍の幹部を次々と撃破し或は仲間とし移動要塞デストロイヤーをも撃破したサトウ・カズマ一行が住む街であるからだ。

無論、事実と異なる部分はあるがほとんどが事実であり誇張された話はあるものの

多少の修正は必要であるがやはり真実なのだ。


そんなカズマ一行は今日も冒険の真っ最中である。

ギルドよりもたらされた新しい遺跡あるいはダンジョンの調査が今回のクエストだ。

遺跡ともダンジョンとも区別が難しいダンジョンであり実は他の街のギルドが遠征で調査したものの複数のパーティは既に消息不明になっていた。

そんな危険なクエストを始めはしぶりながらも「5000万エリス」の高額賞金に目が眩んだ

サトウ・カズマは今回のクエストを快諾、

今に至るわけである。

探索に向かったカズマ一行は


「ズサッ、ズサッ」と複数の足音を響かせながら意気揚々としていたが探索が進むにつれ困難を極め


「なんだ、ここの遺跡、ダンジョンは行ったり来たりの繰り返しか?」とカズマが言い放てば「カズマ、私疲れた。」とアクアがいい

「アクアだらしがないぞ、日頃の鍛錬が足りんからだ」とダクネスが励ますように言うと

「それにしても変わった遺跡ですね。

いくら歩いても行き着くところはなく

ループで行ったり来たり、これではカズマさんがつけた目印をたどっても帰還できるかどうか微妙です。」と何故か魔王軍の一幹部の

ひとりでカズマのパーティの一行に参加しているウィズがそこにいた。

めぐみんは爆裂魔法で落盤の危険があるため外で待機、補充メンバーとしての抜擢だが彼女自身、古い遺跡には魔法系のアーティファクトが眠っている確率が高く、あわよくばそれを発掘しようという算段もあった。


そんな中、彼らを観察する者がいた。

そして「あの女、何故こんなところにいるのよ。」と

カズマ一行のある人物を見て驚く者がいた。

一行の常に前にある柱の物陰に隠れていた彼は思わず

「ズサッ」と足音をさせて「何故、貴様(あなた)がここにいるのよ、ウィズ」「わははははは。」と声も高らかに現れた。


その現れた男?!をみて一同は戦慄した。

男?!は白タイツに白半ズボン何故か上半身は半裸で胸毛はジャングルが生(お)い茂っているのではと思うほど濃く、白半ズボンを黒いサスペンダーで止めていた。

そしてその容姿はカズマの世界の20世紀を

席巻しロックブームの火付け役のバンドとされるあの大人気バンド、Queen(クィーン)の

ボーカリスト、「フレディ・マーキュリー」に瓜二つなのである。

何故かスポーツ刈りの頭に宴会やパーティなどで使用する鼻赤髭つき眼鏡を顔につけた変態男だった。


これには一同フリーズ状態が続き最初に声をかけたのは意外にも相手の変態男だった。


「ちょっと失礼ね!私を見るなりその反応は

何よ!」と男(変態男)は必要もないのに指をサスペンダーのバンドの真ん中にもっていき両手の親指で「パチン」と弾き

オネエ言葉で続けた。


「私の質問に答えなさいウィズ。どおして

あなたがここにいるのかしら。魔王幹部の

一員であるあなたが。」と男(変態男)はまたサスペンダーを「パチン」と鳴らしつつ言葉を続けた。


一同はあまりの出来事にフリーズ状態だったが、ようやく解除されまともな受け答えができる状態となった。

「ウィズ、さっきからあのド・変態男、お前の知り合いのような事を言ってるぞ。」とカズマが顔を引きつらせながら左から居並ぶパーティメンバーの一番右にいるウィズの方を見て言った。

ウィズは左手人差し指を額の真ん中に当て豊満と呼ぶには余りにも大きい胸を左手で支えるかのようなポーズで目を閉じながら思索した。

「うーん」といくら考えても彼(変態男)のことが思い浮かばない。

「え、本当に知らないの。」とアクアがいうと

「うん、知らないのなら帰ってもらうというのはどうだろう。どうもこの遺跡の迷宮はあの御人(変態男)が原因のようだし。」とダクネスがいう。


カツと眼を見開き決意をした表情で

「誠に申し訳ありませんが、私は貴方のことを存じません。」とウィズらしく両手を揃えながら深々と一礼し謝罪した。


「何ですてぇー!」と相変わらず耳障りな

オネエ言葉で叫びながら柱のすぐ側の反響音も利用して「パチーン」とサスペンダーをはじく音をより大きく響かせた。


そしておもむろに男(変態男)は右手に付いている黒い針金で作ったイミテーションのような時計の針を動かすと姿を消し

「きゃーぁ」と突然ウィズが悲鳴を上げた。

「相変わらず、いやらしいカラダをしているわね。これで何人の男をたぶらかしたのかしら。」といつの間にかウィズの背後に現れ

彼女の豊満な胸を「むにゅむにゅ」と両手でいいように揉み弄(もてあそ)んだ。


「うーん」と揉まれながら喘ぎ声に近い声を

あげながらウィズは脳裏にある光景が思い浮かび始めていた。


「うわ、消えたかと思えばなんでウィズの後ろにいるんだよ。」とカズマが叫ぶと

駄女神のアクアは「え、何どうしたの。」と顔と目の位置を右往左往させ動揺、

ダクネスは「目の前の柱にいたはずが何故ウィズの背後にいる。」と当たらない剣に手をかけ抜こうとするなどパーティは大混乱を

誘発していた。


「やめてください。」と必死の思いで男(変態男)を振り解いたウィズは「バイン」という音をさせ巨乳とさえ呼ぶのは控え目な爆乳を弾ませながら以前にもこのようなことが度々行われていたことを思い出した。

「あー!あなたは!」とウィズは叫ぶと魔王幹部時代の最も思い出したくない記憶にたどり着いた。

人(彼女はリッチだが)は一番思い出したくない思い出を記憶から抹消することで精神の平安をはかろうとするがまさに彼女にとってのこれがそれに当たる。


「あ、あなたの名は…。」

「そうよ、私の名は…。」


ウィズと男(変態男)は手を出せば届く距離で

夫婦漫才のような会話を続けていた。


「おなたは魔王幹部最強の一角の…。」


男(変態男)は「むふん」とどこから取り出したのか判らない薔薇の花一輪を左手で持ちながら匂いを嗅いでいると


「あああああなたは、魔王幹部最強の一角の…。」


「くんくん」薔薇の匂いを嗅ぎながら

「私が魔王幹部最強の一角の…。」


「最強の変態男さん!」とウィズが言うと


薔薇の花は一瞬で散り男(変態男)は前のめりに

こけていた。


「ウィズ!あんた人の名前も思い出せないの。あんたの栄養分の大半がこの胸にまわっているのかしら。」とまたもいつの間にか

ウィズの背後に回り込みウィズの豊満な胸を揉んでいたが、「やめてください!ハイパーセクハラじゃないですか!」と

「き〜つ」と顔を真っ赤にしてウィズが激昂する。


「う〜ん、怒っちゃや〜よ!」と右の人差し指を立てながら「ぶんぶん」と横に動かし「パチン」と左目でウインク、茶目っ気一杯の男(変態男)である。


ウィズはそれをみながら背筋がこおりつき、

他のパーティ全員は背筋が「ぞわっ」として

悪寒が走った。

そして一同は汚物を見るような目で男(変態男)を見つめた。


そんな中、「何よ、その汚物を見つよるような目は。」(パーティの心そのままである。)


「なあ、ウィズ!魔王の幹部って変態ばかりなのか!」と汚物を見るような状態から解放されたカズマは開口(かいこう)一番、左端にいるウィズに尋ねた。


「いえ、そんなことは…。」と言いかけた時、ウィズの脳裏に今までの魔王幹部の

デュラハン、バニル、デットリースライム、

との遭遇と魔王幹部時代の光景が浮かんでは消えていった。


「そうかもしれません…。」と立ち尽くす

ウィズはやや俯(うつむ)いて今までの他の魔王幹部の痴態ぶりに赤面するしかなかった。


「え、嘘!魔王幹部って変態の集まりなの。」

「なに、魔王幹部は変態の集まり!それは願っても…。いや、けしからん!世のため人のために成敗しなくては。」

余りの出来事に文字通り言葉を失っていた

アクア、ダクネスが会話に参加するも、

ダクネスは自分の発した言葉に「く〜」と残念そうにしながら後悔の念を禁じえなかった。


「何よ、何よ、みんなして私を変態みたいな口ぶりで、まあ変態ですけど私は!」

と「むふん」とジャングルに例えられる毛むくじゃらの胸を自慢げに張った。


「認めんのかよ!お前だけじゃなくて魔王幹部全体の品性の問題じゃないのかよ!」


「容赦のないツッコミありがとう。

プリティーボーイ!」と男(変態男)は

「うふん」と左目でウインクして右手の指で

投げキスを飛ばした。


無論、幻覚の類とは思うが投げキスで空中に小さなハートマークが出現しカズマに向かって飛ばされたのだ。


「わ〜、わ〜」とカズマは飛来するハートを手持ちのダガーで必死に叩き落とした。


「なんですって!そこまで私の愛の証を否定するなんて、……酷い。」と男(変態男)はうちのめされ泣き顔になっていたところ、カズマの顔をまじまじと見て、「ああ〜」とちょっと大きめの驚きの声を上げた。


「あなたは…。」と今度は隅から隅までカズマを観察し「黒い髪、黒い瞳、モブ顔よりはちょっとマシな顔立ち、服装もありきたりの

「普通の冒険者」隣は青い髪に可愛いけど知能がいかにも足りなそうなアホ顔立ちの女。」と「なんですって!この私がわからないわ。一見金髪、グラマラスな一番私の嫌いなタイプのはずが、何故かシンパシーを感じるわ。一体何者なの。」とカズマ、アクアとダクネスを鑑定するかのように隅から隅までみていた男(変態男)は

「あー!あなたたちサトウ・カズマ一行ね!」とウィズのやや背後にいた男(変態男)は

カズマを指差しながら、

「やっと罠に掛かってくれたようね。」

「フォーッ」と両腕を広げ右脚を前側に膝を曲げ上げながら奇声を発した。(レーザーラモンHG風。このネタ現在の人にわかります。)


「何、罠だって。」

「そうよ、わざわざアクセル近郊に埋もれていた遺跡を出現させダンジョンにして罠を仕掛けたのに、釣れるのは何故か他の街の冒険者ばかり。いい加減に目立ちすぎるけど直接

「アクセル」に乗り込もうかと思ったくらいよ。まあ結果オーライかしら。」

「他の冒険者は丁重に時の彼方で始末したけど。」

「ウィズ、このままではいつまで経っても

私の名前は名乗れそうにないわね。

いいよくお聞きなさい、私の本名は…。」

と名乗ろうとした瞬間、


「いやー!やめてー!」とウィズは絶叫しながら頭を抱え大急ぎで男(変態男)の方を向きつつ距離を取った。

どうやらよほど思い出したくないトラウマ(心的外傷)があるようだ。


「やめてと言って辞めるわけないでしょ。

私の本名は「マーキュリー・フレディ」

魔王幹部の一員にして変態よ!」

そしてまた「フォーッ」と叫び両腕を広げ

右脚を膝から曲げ上げお決まりのポーズをとりつつ言った。


「苗字(みょうじ)と名前が逆なだけで、

20世紀最大のロックグループのボーカルに

失礼だろうが!謝れ!」


「容赦のないツッコミをまたありがとう。」とフレディ(変態男)は言うと「パチン」と左目をウインク、


「いやー!」とウィズは叫び彼女の脳裏には走馬灯のように次から次へとフレディ(変態男)の思い出がかけ回りいつしか脳が負荷に耐えきれず気絶した。


「ウィズ!」とカズマが叫ぶと同時にフレディは「サトウ・カズマ、私のものになりなさい。そうすればお尻を掘った上で可愛いがっ

てあげるわ。」

反射的にお尻の穴を両手で押さえたカズマは

赤面しつつすぐそばから「ウィズ!起きろ!」と

大声で叫び「は、ぶるぶるぶる。」とウィズは目を覚まし首を振った。

「私はどれくらい気絶していたんですか。」

「ほんの数十秒くらいだよ。」

「それよりアクア!お前の浄化の力でなんとかならないのかよ。」と勇ましくいうカズマだが、いまだに赤面して尻の穴を押さえている。

「いやー!無理!あんな変態に触るのも関わるのも無理!」とフレディのあまりの変態ぶりに遺跡の土壌に片膝をつき両手をまぶたにつけ半泣き状態である。


「く、相変わらず使えん駄女神だ!」と

アクアを偉そうに切り捨てるカズマだが、

相変わらず両手で尻の穴を押さえている。


「ダクネス、お前は…。」と隣のダクネスに

視線を移したカズマが見たものは

「はあ、はあ、」と言いながら赤面しているが身悶えているダクネスの姿だった。

変態同士のシンパシー と言ってしまえばそれまでだが、この難局でそれはないだろうと

思うカズマである。


そしてダクネスを見たフレディは

「あなた!私のシンパシーをあおるあたり

やはり変態マゾ女ね。」と指摘、


「なにゅよ!わたちは違うぞ!」と言葉で否定してもロレツが回らず単に顔を赤くして

欲情するメス豚に成り下がっていたダクネスがそこにいた。

「もっと使えね〜!」とカズマは思ったが


「サトウ・カズマ!最後通告よ!

私のものになりなさい。そうしないと私は

あなたに酷いことをしなければならない!

よくて!」というと


「酷いことってなんだよ!」と尻の穴を押さえる力を強めながらカズマは勇気?を出して質問した。

「強引にお尻を掘った後にそれ以上のことを

あなたが仲間にもするのよ。そして…。」

「ふふふふ、」

フレディ(変態男)は本気である。


「それでも嫌だ!自分の初めてをこんな変態に!まして俺が同じことをする。そんなこと自分ですればいいだろう!」とカズマも混乱していた。


「失礼ね!私は純粋な※ホモセクシュアルよ!女の相手ができるわけないじゃない!」

「うーん、ふっ」とフレディ(変態男)はまたも投げキスをした。

「うわ」と今度は偶然足がもつれてなんとかハートをかわしたが、


「なんで私の愛を受け入れないの!

キーツ」と奇声をあげて悔しがるフレディだったが、

「カズマさんしっかりしてください!」と

ウィズがすぐそばで思いっきり往復ビンタを

「ビシーン、バヂーン」とカズマに喰らわせた。

サトウ・カズマの鼻からは鼻血と頬は両頬とも真っ赤に腫れ上がったが何とか正気を取り戻した。

「ウィズ…。サン…キュ…ウ」と腫れ上がった両頬で何とか礼を言ったが、

事態が解決したわけではない。

アニメや漫画のギャグでお馴染みの超回復で

顔を修復したカズマは少し前の狼狽した

自分を忘れ、「このままではまずいな。」と

尚も尻の穴を両手で押さえてながら偉そうに言った。


「仕方がないわね!ここまで私の愛を拒絶するなら本気を見せるしかないようね。」

「そこのあなた!確かダクネスとか言ったわね!トウ!」と掛け声を上げながらフレディ(変態男)は後ろに飛びパーティから正面

数メートルの距離で着地、ダクネスを指さした。

「私は同じ変態には寛大なの!

あなたには最も望むかたちで純潔を捧げさせてあげる。」


「なにゅを、純潔を捧げるだと!はあはあ!」と相変わらず使えないダクネス。

アクアは「もうやだ!お家帰る!」と駄女神ぶりを発揮し座り込んで両目に手を当て泣きじゃくっているばかりだった。


それを横目にサトウ・カズマは心の中で思った。

(こいつら何しにここに来たんだ。)と

思ったのも束の間、


「サイ・フラッシュ」とフレディは顔のパーティ用の赤鼻髭つきメガネの右端を持ちながら閃光ともいえる光を放ちダクネスとカズマには「2度目のサイ・フラッシュ」を浴びせた。


「うお!なんだ」

「きゃ〜っ」とカズマ一行全員の叫び声と悲鳴がこだました。


「パチン」とお決まりのもうルーティンではと思うサスペンダーを鳴らすと

「心配ないは今のはただ時間が戻った世界である行動を取るだけ!言っておくけど触れた人も同じ行動をとるわよ!」

「そして愛しのカズマちゃんとダクネス!

あなたたちは他の人たちとは別の行動をとることになるわ。」


「別行動て何のことだ!」とカズマはフレディ(変態男)に尋ねたが

「ヒ・ミ・ツ・よ」と右手の人差し指を立てながら横に振り左目ウインクではぐらかした。


「さあ、ここからがいよいよ本番ね!

我が魔法の最大奥義を放っわよ!」

と股間についているあるものを見た。

それを見ていたサトウ・カズマは右横に移動していたウィズに「なあ、俺あまりにも痛すぎるんであえてツッコまなかったんだけど、

あの股間の時計みたいな黒い針金でできたのは何の意味があるんだ。」とここにきて

真剣な表情で尋ねた。


「あれは」と相変わらず思い出したくない思い出を同情したくなる表情で思い出すウィズだったが、

「あれは…。カズマさん!あれを使わせてはダメです!」

「え、何が」

「股間に時計だと、はあはあ…。」

「エリス助けて!」と滅多なことでは口にしないアクアの混乱ぶりとダクネスの変態ぶりはフレディ(変態男)の行動の深刻さを全く理解していなかった。


「もう遅いわ。」とフレディは言うと

股間の黒い針金でできたイミテーションのような時計を時計回りとは逆の方向へ長針を動かし加速し止めると「トウ」とジャンプしながら「パチン」とサスペンダーを鳴らし

一同のすぐ前に着地した。


「我が魔法最大奥義、「クロック・ワールド」と言いながら更に股間の時計を回そうとしたフレディは水溜りに足を取られて転んだ。


「アウチ」と言いながら転んだがここに来て

駄女神のアクアが役に立ったのだ。

ほとんど初めから泣き暮らしていたアクアの

涙が水溜りとなり遺跡の硬い土と合わさり

滑りやすくなっていたのだ。

ここに来て駄女神の本領発揮か!?


「いまだ取り押さえろ!」とカズマの号令の元一斉に飛びかかったが、アクアとダクネスは参加せず、カズマとウィズのみがフレディ(変態男)に飛びかかった。


その瞬間、「洒落(しゃらく)さいわよ!」と倒れながら無理矢理時計を回したフレディは

「しまった、失敗よ!」と曲がってしまった

長針を見て叫び声を上げた。


「ああ〜っ」と叫び声をあげる中、

全員の足元に黒い巨大な穴が出現し

それはどんどん巨大化してカズマたちを飲み込んでいった。

巨大な穴は遺跡、ダンジョンとその周囲を飲み込むと収縮し始め消えてしまった。

あたりは何もなかったように静けさを取り戻した。


しばしの時間が流れ遺跡、ダンジョンのあった場所にカズマ一行は気絶していた。

その中にはいつのまにか「めぐみん」も含まれていた。

「うーむ」と目覚めたカズマはいきなり上半身を起こし「うわ、あの変態男(フレディ)は

と起きるなり周囲を見渡した。

だが何処にも変態男(フレディ)の姿はなく

周囲は砂塵に包まれた砂の山だ。

すぐそばに何故かダクネスがうつ伏せに倒れ

「うーん」と意識を取り戻しそうだったが、

「おい、ダクネス!起きろよ!」とダクネスに触れながら揺さぶるサトウ・カズマだった。

「カズマ、おは…。」まで言って

「カズマ、あのナイスな御人、いやフレディ(変態男)はどうした!はあはあ!」とあくまで久々の興奮を忘れられないダクネスである。


「お前な!今はそれどころじゃないだろう!」と再びダクネスの顔を見たカズマは

彼女の潤んだ瞳、ほんのりと蒸気し赤い顔、

艶のある引き締まった唇を見て

「あれダクネスってこんなにいい女だったっけ。」と「クラクラ」なりかけた時、

「はあ」と我にかえり「何やってんだ俺は!」と素早く周りを見渡しウィズが仰向けに倒れアクアは使い古された犬神家の一族の逆さま死体の如く水色のしましまパンツ丸見えで砂の中に突き刺さり、次いでに参加したような状況のめぐみんは腰砕けの両膝を砂の海につけうつ伏せで倒れていた。

カズマは素早く

「ウィズ、アクア、めぐみん」と次から次へと声をかけ、アクアは側により両足を引っ張り砂の中から救出した。

「ぺっ、ぺっ」「死ぬかと思った。」と感想を述べたアクアだが、すぐに「あのフレディ(変態男)は何処にいるの!」と怯え出し、

「あの御人、いやフレディ(変態男)は。」と

懲りずに彼を求めるダクネス。

両腕を組みまるで全身を悪寒が突き抜けるように真っ青な顔をし「フレディ(変態男)さんは何処に」と尋ねるウィズ。


そして「いきなり遺跡から黒い空間が出現し飲み込まれたんです!」と状況のみ説明するめぐみん!

各自フレディ(変態男)に対しての反応をみせる

彼女たちだが、更に周囲を見渡したカズマが

一言、

「どうなってるんだよ!遺跡もダンジョンも何も無くなった。風景が全然変わってる!

【これって現実なのかよ〜!】」と遠吠えともいえるような大きく長い言葉があたり一面に響き渡っていた。


第1話完 


次回は「謎の赤ちゃん誕生!出現」へ続く


※同性愛者!史実です!ただ本物のフレディは男女ともに恋愛対象であったため、ホモだけではありませんでした。

Queen(クイーン)のファンの人たち重ね重ね

すみません。

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