第24話
チアside
そして今
あの男が言っていた通りそれは現実となり、
私の目の前でソウヤさんがジュンセの首を絞め殺そうとしていて私の体はぷるぷると震え声が出ない。
S「今、俺がメディアに2人の過去を話したらどうなると思う?」
階段から落ちた私を心配したジュンセは私の実家に来て全ての真実を知った。
そして、ジュンセはそれを悲しみ苦しみ涙を流しながら後悔を繰り返した。
しかし、ジュンセはその後悔により男として強くなり、私の心はさらにジュンセへと惹かれてしまう。
J「言いたいなら言えよ…その代わりチアとはキッパリ別れろ。」
マンションの廊下でソウヤさんに叩きつけられながらジュンセはそうソウヤさんに言うと、ソウヤさんの目つきが変わり私は危険を察知する。
あの目は…私を殴る時と同じ目…
S「はぁ?勘違いすんなよ?俺がメディアに話したらお前の芸能生活はもう終わり…お前は守ってくれるスタッフがいるけど一般人のチアはメディアにもお前のファンにも追いかけられて事ない事書かれ責められんたぞ?」
J「チアのことは俺が守る。」
ジュンセがそういうとジュンセの首にあるソウヤさんの手はさらに力を強め、ジュンセの顔色が益々悪くなり私は慌ててソウヤさんの腕にしがみ付き止めた。
C「ソウヤさんお願い!!もうやめて…誰かを殴って傷つけるのはもうやめてよ…その分傷ついてるのはソウヤさんなんだから!!」
S「うるさい…黙れ……」
C「ソウヤさん!!」
S「黙れって言ってんだよ!!!!」
ソウヤさんそう叫び私を振り払うと、私は吹き飛ばされて廊下の壁に背中を打ち付ける。
すると、ソウヤさんはピタッと動きを止め…
ゆっくりと私の方を振り向き、じーっと私を見てジュンセから手を下した。
C「ソウヤさん…私は…もうソウヤさんと一緒にいれない…だから…私たちもう…」
そこまで話してる時にはソウヤさんはもう…
力なく歩き出していて…
まるで私のことが見えないかのようにそのままエレベーターの方に向かって歩いて行く。
突然、足元まで危うくなったソウヤさんの背中に驚いた私は、ソウヤさんのその背中を見つめると、ソウヤさんはエレベーターに乗る直前で足を止め背中を向けたまま言った。
S「俺の…負けなのか……」
C「え…?」
私はソウヤさんの言っている意味が分からず、ジュンセの顔を見るとジュンセは苦しそうに首を撫でながら言った。
J「本当にチアを愛してるなら…チアと別れてください……チアのためにも……」
S「……自業自得…だな…」
J「これが……俺を甘く見て隙を見せた…あなたの結果です…」
ジュンセがそう言うと、ソウヤさんは無言のまま歩き出そうとし思わず私が声をかける。
C「ソウヤさん!!」
S「チア…キミを手に入れるためなら何もいらないなんて思ってたけど…それはただの綺麗事だったよ……」
C「…え…?」
S「俺は……少し欲張りすぎたな……」
C「ソウヤ…さん…?」
私の呼びかけを無視したソウヤさんは無言のままエレベーターに乗っていき、振り返ることなく私の前から消えた。
それと同時にジュンセは私を後ろからギュッと抱きしめた。
J「チア…怪我してない?」
C「私はしてないけど…ジュンセが…」
ゆっくりと振り返り、ジュンセの首筋を見るとジュンセの首にはソウヤさんに締められたアザができていた。
J「俺は大丈夫…部屋に戻ろう…」
ジュンセがオートロックを開けると、中から泣き叫ぶチビちゃんが出てきて、私はチビちゃんをギュッと抱きしめそのまま部屋の中へと連れて入る。
静かな部屋で私たちは並ぶようにソファに腰掛け、ジュンセは私の肩を抱き寄せると私はジュンセの肩に頭を預ける。
まだ、泣いているチビちゃんをジュンセはお腹の上で落ち着かせるようになだめながら、私たちはしばらくの間ただ無言のまま…時間を過ごした。
気がつけばチビちゃんは泣き疲れたのかジュンセのお腹の上でウトウトし始め、ジュンセはゆっくりとチビちゃんを抱き上げベッドルームに連れて行く。
私はそんなジュンセの姿をソファから見つめ、ジュンセがベッドでチビちゃんが熟睡するまで寝かしつける姿を私はただぼんやりと見ていた。
J「もう眠ったよ……」
ベッドルームから戻ってきたジュンセがそう言いながらソファに座り私の肩を抱く。
私はその胸に身を任せるようにしてジュンセにもたれるように座ると、ジュンセは私の髪にキスをした。
J「聞かないの?さっき俺がソウヤさんに何を言ったか……」
私はジュンセのその言葉を聞いてゆっくりと姿勢を起こすと、ジュンセは私の手をギュッと握った。
つづく
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