第7話 ビックサイト開催

 その文学フリマもあの犯人と同じようなテロに狙われたら、と同時に怖くなった。ゼロではないがその可能性も否定できない。特に東京会場はプロの作家さんや大手出版社のブースの参加もある。もし、文学フリマでテロが起きたら私はショックで立ち直れないかもしれない。落選続きで悔しい思いをしていたその時に文学フリマの出店で何度も救われた。文学フリマには感謝しかない。しかし、考えたって仕方がない。いい可能性のほうに可能性を託そう。

 その文学フリマに二〇二三年十一月三日、途轍もないニュースが報道された。文学フリマ東京が来年の二〇二四年冬、コミックマーケット会場でもある東京ビッグサイトで開催が決定したのだ。このニュースを知ったとき、私は思わず涙が出た。夢のある会場である東京ビッグサイトでまさかの開催に心底から感謝した。

 たぶん、私はプロの作家になる精神力が足りないだろう、と自覚している。もし、今、仮にプロの作家になれたとしても私の不安定な精神力では周りに迷惑をかけてばかりで太刀打ちできないだろう、と思っている。精神疾患持ちだとプロの作家は難しいだろう。今のように投稿サイトで何度かBESTランキング入りして、レビュー数を稼いで、多くの人に無料で読まれるのがいいポジションではないか、と思う。もちろん、コンテストには気軽に参加したいし、肩を強張らせなくても創作を楽しめる方法はいくらでもある。文学フリマで手売りして少なからずファンが付いて読まれればいい。文学フリマはそんな私の事情にも寄り添ってくれる唯一無二の居場所だ。

 もし、カクヨムさんが文学フリマでコミックマーケットの企業ブースのようにコラボしてくれたら、という密かな期待がある。角川書店も文学フリマに参加したらコミックマーケットのようにさらに活気づくんだけどなあ、とメチャクチャ期待している私がいる。それだけ、ビックサイトでの開催は驚いた。東京ビッグサイトでの開催に期待している。これからの文学はどうなるのか分からない。文学フリマはそんなアマチュア作家の願いをこの世の中に届けている。

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