何度も落選して悔しかったけど文学フリマに行って救われたこと。

詩歩子

第1話 京アニに寄付した1万円

 何度も落選して悔しかった。でも、その中でも受賞したときは本当に嬉しかった。もちろん、小説を投稿すると必ず敗者の問題が付いてくる。その例として、近年、起きた事件で最悪となったのが京都アニメーションの放火事件が上げられるだろう。小説を投稿するアマチュアならば一度はギクッとのなったことはあるのではないか。

 この文章を『涼宮ハルヒの憂鬱』のアニメを見ながら書いている。京都アニメーションが製作した名作アニメだ。京都アニメーションと言えば、誰もがあの悲劇を思い起こすかもしれない。オープニングを見ると亡くなったアニメーターさんの名前が書いてある。

 あの犯人と私を並べる。違うのか。涙が止まらない。残酷な事件に涙が止まらない。どんなに無念だっただろう。どんなに悔しかっただろう。本当はそんな負の感情を創作に打ち出すべきだったんじゃないか。

 京アニ事件が起きたとき、私は一瞬ぎょっとなった。あの犯人は自分だったじゃないか、と心のどこかで思ってしまう自分がいた。何度、一次落ちしたかな? 色んな賞に投稿して、数十回は落ちた。そのたびに愚痴ってばかりだった。周りを責めたこともあった。悔しくて何日も引っ張ったこともあった。

 いやいや、私は違う。ネットにもアップした作品はそれなりに読まれているし、それなりに文学賞やエッセイ賞も受賞したことがある。それも、落選した作品が小説投稿サイトで総合ランキング一位になったことだってあった。その時は作品に対して供養ができた気がした。

 特に最初に作品を投稿したmonogataryでは何度も救われた。monogataryの生みの親であるYOASOBIの活躍も投稿生活の上ではいい刺激になる。YOASOBIが活躍すればするほど仲間が脚光を浴びたような気分になる。もちろん、そんな気分だけかもしれないが、カクヨムだってジャンル別2位になったことも二回もある。千レビュー越えの作品も三作品もある。今までの投稿したサイトの合計のレビュー数は三万レビューを越している。

 まだまだ自分が駆け出しだという自覚はあるけど、間違ってもあんな馬鹿な真似はしない。精神疾患の患者はたくさんいるし、みんながみんなあんな行為をするわけじゃない。次々と降りかかるニュースに涙が零れた。自分自身のメンタルもボロボロになって、自己満足かもしれないけど、京アニに一万円寄付をした。たった一万円だけどやれることはやれただろうか。

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