第5話 二度目のループ



 それは、都市の政治施設がある場所の真下だった。


 そこにあるのは、秘密の部屋に繋がる扉。

 ミレイ達は、過去に偶然拾った都市の要人……とある議員の鍵を使って、その場所へ入る。


「よくそんなもの落ちてたな」

「ラッキーだったのよ。こんな幸運、二度はないわ」

「なんだか神様に、大勢の人達の危機を救ってくれって頼まれてる気分だ」

「あら、ロマンチックなのね。意外と」


 そんな他愛のない話をしながら、とある部屋に入った二人。

 

 そこで見たものは、都市を壊滅させたあの生体兵器だった。


「なにこれ、こんなに醜悪な兵器みたことがないわ」

「まるで生き物みたいだな」

「探偵業やってると、色々いやな面を見せられるけれど、これはとびきりね」


 それは人間の骸をむりやりくっつけたかのようなものだった。


 生体兵器の開発は、間違いなくそこでされていた。


 必要になるパーツなどが、そこら辺に散らばっている。


「とりあえず、これを放っておくわけにはいかないわね。さっさと壊してずらかっちゃいましょ」

「同感だ」


 ミレイ達は、さっそくその兵器を壊そうとするが、勝手がわからない。


 二人して悩んでいると、その場に足音。


 ミレイは振り返った。


 けれど、その主を確認する事はできなかった。


「俺を恨むなよ。こっちにもやらなきゃいけない理由があるんだ」


 最後に鼓膜にとどいた、それは男の声だった。


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