傲慢な王女でしたが、追放されたので立派な平民の妻になろうと思います
結島 咲
第1話 追放と結婚
ノリで出してみたので、出来栄えについてはご容赦ください。
――――――――――――――――――
王女が豪遊をしているという悪評が市井で飛び交っている――との情報が、王と宰相である公爵の耳に入ってきた。
「………アンジェラはどうしようもないくらいわがままで浪費家なんだと……このままでは、民から糾弾されてもおかしくない………。
下手すると、王家そのものも咎められるかもしれん……。」
「陛下、私に良い案があります。」
「なんだ?公爵。」
「………王女アンジェラ様を、王城から追放しましょう。」
―――――――――――――――
王女アンジェラ―――― 彼女はこの国の国王の一人娘で、それはそれはたいそう甘やかされていた………。
いや、つい先程まではそうだったのだが………。
「なんで、こんなことになりましたの〜〜!?」
アンジェラはそのわがままさ故に罰として、先程平民との結婚を命じられ、更には王城を追い出された。
平民と結婚というのは、王からの温情だという。今まで王城でぬくぬくと育ってきた王女が、いきなり市井で一人、暮らせるワケがないからとのことだ。
(たしかにその通りだけど、何も、結婚じゃなくて、召使いでもいいじゃない!)
召使いがいるのでは、今までの生活と何ら変わらないゆえ、罰にならないということに彼女は気がついていなかった。
「………す、すみません、王女殿下……………。ぼ、僕が、偶然扉付近に立っていたばかりに………。」
数年前からアンジェラのもとで時々掃除をしているのを見かけるな〜っという程度の認識しかなかった使用人………………彼がアンジェラの結婚相手に選ばれた。
(そう!たまたま、お父様が私を呼び出した大広間にいたからっていう理由でよ!)
いつも通り、ただの注意で終わると思っていたのが、大間違いだった。
(割りと、本気で怒ってたわ……。)
呼び出され注意されたにも関わらず、反省の様子も見せずにふざけた様子のアンジェラに、お父様はブチギレ、あろうことか平民との結婚と王城からの追放を命じられたのだ。
そしてそのまま、アンジェラとこの使用人は無一文で着の身着のまま、王城の門から放り出されたところである。
使用人であるこの男も、何がなんだかわからず、混乱しているようだった。
「………あなた!名前はなんですの!?」
「あっ………、アルです。」
「わかりましたわ。アル。あなた、私を座るところに案内なさい!もう、立っているのは疲れたわ。」
「それは…僕の家に連れて行け…ということでいいですか?」
目の前の王城の門はピクリとも開く様子がない。
門番も開くつもりがないようだ。
王であるお父様がそう命じているのだろう。
「………追い出されたんですもの…仕方ないですわ。
ええ、そうよ、あなたの家に案内してちょうだい。
私、王城以外に住む家がありませんの。
それに、一応、よくわからないけど結婚?したのでしょう?結婚したからには、仕方ないですわ。」
かくして、平民との結婚を命じられた傲慢な王女アンジェラの、平民としての生活が始まった。
このおどおどした平民アルに、近い将来惚れてしまうということをまだアンジェラは知らない。
もちろん、王城での陰謀などにはもっと気がついていなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます