第14話 自己評価

 ヒトは他者から褒められたいのが普通だろう。褒められたら嬉しいし、貶されたら面白くない。昔は叱って育てたが、今は褒られて育つと聞くことがある。


 しかし、そのうち褒められることが嬉しくなくなってくる。褒めることによって自身を高めようとする意図や癖が他者に見えるとき。理解していないのに褒められるとき。そして、そのような褒め方すらしない、自身が褒められることしか頭にない他者に囲まれたとき。


 すると、褒められることに何らの意味も興味も感じなくなる。だから、他者を褒めることもしない。単に自身の基準により他者を評価するだけだ。一方で自分に対する他者の評価は何らの意味もない、没交渉なものとなる。

 この段階では、もはや他者評価は自己評価に影響しない。他者から褒められたからといって、自分が高まるわけではないことが下意識にあるのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る