辺境の剣士

山目舜

プロローグ

 勇者と4人の仲間は、共に協力し、魔王を倒した。

 しかし、勇者についてわかっていることは、決して多くはない。彼は、どこからともなく表れて、魔王を討伐し、そのままどこかに去っていった。それでも、彼が勇者と呼ばれるのは、王国に伝わる聖剣に使い手として認められたからである。


(中略)


 仲間の1人、剣士ノモサ。「崖崩れ」の異名を持つ。彼は大剣を自由自在に振り回して戦うことを得意としていて、固有魔法は持っていなかったとされる。その大剣の一振りは、大地をも割ったらしい。王国北部のミワット山に存在する「ノモサの崖」は、仲間と共に魔王の直属の配下と戦った際に彼の斬撃で出来たことから、そう名付けられたと言われている。

 彼は、(後略)


星の魔導士 著 『勇者の記録』 より抜粋

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