ピアス穴の、その妖艶さたるや

虫喰いの奴隷

君のピアス穴を覗いた。

狭く生温い暗闇の中で星が見えた気がした。

柔らかそうな君の肌に腹が減ったから、口に含んで転がした。

甘いような、塩っぽいような。

まあるい金属の抜け殻。

君の身体に這うような穴。

その一つ一つに入り込みたかった。

そこはおれの家である。

いくら叩いても入れて貰えないのは何故か。

おれは奴隷だ。

君に空いた穴の中身の行方を求める蟲。

入りたくてたまらない。

おれは爪を切った。

切った爪を詰めたら君は笑った。

穴だらけの君の身体。

まるで虫喰い。

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