第44話・エルフ国のその後
もしもこの時に悪あがきをしたとき、神の名の下に死刑が決まっていた。だからこそ、最初に止めてはいたが、それは結界を張る準備のためだけであり、レイド戦並びボス戦を止めるつもりはプレイヤー側には無かった。
グロテスクな魔物、さまざまな動物が奇跡的に合わさっただけの巨大モンスター。
それに対するは、ガチでバトルメインに活動するプレイヤー達。
「はあぁぁぁぁぁ!」
「ほいキャンセル」
「魔法放ちます!」
ほとんど滅多打ちである。ある者は巨大な大剣で切り捨て、ある者は魔法を的確に撃ち込み、ある者は大盾で攻撃を防いだりする。その中にもちろん私達の子もいる。
「ガトリングフレア!」
「ずばばばばーん!」
「ゴ、ゴ、ゴ、ゴッ!!」
ルビが火属性の魔法を放ち、ソフィが切り刻み、ダイチのパンチが炸裂する。タンクが周りを守り、攻撃勢は徹底的に攻撃する。
白虎様の結界があるから、一般人にケガは一切ない。プレイヤー側、ひいては弟王派の実力を見せるだけだ。
『終わったな』
トドメを刺され、妖精と精霊は消え去り、残りの者達を裁きの時間が来る。戦争は弟王派が勝利して、新王派と言われた人達は大なり小なり裁かれる。
妖精達と精霊達は大半は白虎様に食われた。中には嘘を付く者もいたが、それを神は許さなかった。ほとんどが悪ふざけにしては度が過ぎた。
向こうの戦力であるモンスターは散り散りに逃げたり、狩場としてプレイヤーの敵として狩られる予定である。
自称巫女とその一族はかなり重い罪になった。内容は白虎様の言葉と偽り、好き勝手に法律や自分の為に嘘を言い渡したりしたためである。
「我は金の神だが黄金や宝石はそんなに好きではない!」
お金は回ってこそ価値があると言って、ため込むことは好きではないらしい。だから税は国に必要な分だけ、自分のために使うことは少量で良い。
これにより高い税金のほとんどは彼ら一族が不正に蓄えていたと知れ渡り、税のほとんどは無くなった。こうしてエルフの国の内乱は終わりを告げた。
ここからは彼らの仕事であり、プレイヤーは野生に戻ったモンスターや野党になったエルフ狩りのため、速やかに行動する。
◇◆◇◆◇
新王となった彼の政治はまともであった。野菜しか受け付けない人もいる中で、余計な(妙にでかいサロンとか、妖精樹と精霊樹がびっしりな森)を壊して、畑を作る作業を始めた。私も話を聞いたり、作ったりする。
妙にでかい白虎様の像があるが、こんな趣味の悪い像はいらん!と本人がおっしゃって、すぐに壊し(金や宝石でできていたので)財産にして、戦争にかかった資金に変換。
元々ある。というより本来がここが本殿なのがある神殿があるらしく、そちらに行く。そこは弟王が押し込まれていた王城の庭にあり、そこにプレイヤー共々、神の信者が来られるようになった。
「小さいけど雰囲気あるじゃん」
「いくら金の神様だからって、黄金と宝石で作った像は無駄すぎだよな」
「しかも会員制だったらしい。無駄に場所取ってたし、壊して正解だな」
プレイヤーからこちらにしっかりアイテムを捧げ、できれば木材ブローカーが作った方にもよろしくと言われているので、待つのが嫌な人や、簡単に祈りたい人が回るらしい。いまでは集落の目玉になってるしね。
「多くの人達のおかげで、エルフの国はやり直せる機会を得ました。本当にありがとうございます」
新王はそう頭を下げて、私達は感謝される。私は畑作りと耕し、物を育てる講座しかしてないんだがね。
ガチ勢と言われる人達は強力な称号やスキル、武具をもらえて大喜びだ。他にも色々あるからね。みんな今回のイベントは喜んでいる。
いつの間にか若葉さんは白虎様の巫女として友誼を結んでいる。さすがだね。
今回の件で多くのプレイヤーが称号や特殊スキル、報酬は多くもらえた。
「大丈夫ですか白虎様」
「問題なし!しばらくこの国を放置していた我にも責任がある! 多少のことは力を削いでも払うべきこと!」
神としての力を使い、少しへとへとになる。私達は捧げものとして美味しい物を捧げることにした。
しばらくは問題なく運営するだろう。消費した食料確保のため、私達もしっかりしないといけない。
青龍様の件も解決させてあと、やっと北の町へと戻って、ゆっくり過ごすことにする。その中でランダムの方の卵が孵った。
「きゅー」
「あらあら、一突き兎ね」
「毛色が違うぞ」
普通のは黒とか白とかなのに対して、この子は紫の兎である。角も白い。どうも一突き姫兎という名前であり、一突き兎のお姫様らしい。多少はレアなモンスター。
庭にいる一突き兎達が姫の誕生に大喜びしているが、畑の物に手を出したら覚悟しろよ。
こうして新しく『リーサ』と名前を付けて、可愛らしい兎を連れまわせることになった若葉さん。マグマと共にこの子を連れ歩くつもりらしい。レベル上げないと。
そろそろ第二陣が来る予定である。だいぶシナリオが進んでいるが、世界的にごく一部、まだまだ遊べることは多い為、孫に楽しんでもらえるだろう。
今度は朱雀様でも見つけに行くか、そんなことを話ながら、新しい家族をスクショして、ブログを書き込むのであった。
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