第18話・町レベル

 若葉さんが数少ない宝石素材を使い、布作りをする頃、私は鉄鉱石やライトメタルやへビィメタルを使い、装備品を作るなり、銅鉱石や軽銀石、鉄鉱石からピッチャーやスプーンやフォークなど作る。


 こうして鍛冶レベルを5にして、スキルを覚える。覚えるスキルは【合成金属スキル】。


 異なる鉱石を合わせるスキルで、実はあまり利用されていない。新たにライトやへビィが見つかり、利用され始めたスキルだ。


 まずはへビィメタルを使い、軸と槌を作り、ライトで覆う。


 軽くて重い武器を作るため、四苦八苦作業する。


 それと共に感覚を掴み、リアル知識を少し使う。とはいえ知識として知ったものだ。できるかどうかは努力次第だ。


 こうして武器を製作すること、何本か失敗作を作り、一本の完成品を作る。


「できたぞ」


 大太刀ができた。立派な日本刀が出来上がり、私は手に持ち、うんと頷く。


 後は何回か作り、最も性能が良いのに付与術を使い強化、人形に使うつもりだ。


「あなたできましたか?」


「ああ。君の方はどうだい?」


「ええ」


 サファイヤの布とオニキスの布を使い、仕立てた服は可愛らしくも性能の良い服である。和服のスカートという感じで、そういうゲームのキャラクターが着込みそうだと思う。


「和服を元に、洋服のイメージして作りました。似合うでしょうか」


「きっと似合うよ。あと一品だけど、これは決まってる」


「ええ、一緒に頑張りましょう」


 カナリアが応援する中、私達は雷の精霊石と、黒鉄の宝玉を合成する。アクセサリー作りだ。


 精霊石は綺麗に磨き、研磨した。品質は高く、いままで石工スキルを暇を見つけて上げていたかいがあった。石磨きなどは役に立つ日が来るとは。


 それでアクセサリーの合成に入り、雷鉄のペンダントができた。


 性能は高く、雷特性を持つアクセサリー。魔攻や攻撃が高く、前衛タイプに持ってこいだ。


「これでよし」


「それじゃ、これらを使いましょう」


 みんなが見守る中、カプセルを使用する。三つのアイテムを中に入れて、一晩待つらしい。


 明日新しい家族が生まれる。私達は楽しみにしてログアウトした。


 ◇◆◇◆◇


 そして生まれたのがこの子。


「お名前はわかるかい? 君の名前は『ソフィ』だよ」


「ボクの名前、ソフィ? ソフィ!」


 嬉しそうにはしゃぐ、中学生くらいの女の子。青い髪に赤い瞳、雷魔法を持ち、敏捷の高い刀使いの子。


 カナリアと共に浮遊スキルを持ち、空を飛び喜び合う子を見て、静かに頷く。


 とはいえ、困った子が生まれた。


「パパ~もうすこし戦おうよ」


「こらこら、今日は宝石類の素材を集めに来たんだよ」


「だいじょうぶ、ボク強いもん!」


 そう言ってレベル上げをするソフィ。戦闘特化なためか、かなり強い。岩でできたゴーレムを叩き斬った時は驚いた。


 そうしてレベル上げをしながら、家に戻り、好きに行動する。


 カナリアは空で踊るか、刺繍していたりする。ダイチは畑を耕し、ソフィは動物達の相手をする。


 レインボーシープは一日二回、毛を手に入れられるため、仕分けをしっかりする。これが最近の収入源だ。


 品質の良い布製品から作る、品質の良いロープなどの服装備がウチの目玉であり、商品である。


 付与術を付けた布も売られているため、服飾系から喜ばれている。早く街道が繋がると良いんだが。


 その間も街道のクエストをする人や、炭鉱のために山ルートを進む者もいる。


「大工持った人が街道に来られないから、少し時間かかるな」


「そうですか」


 そちらも少しゆっくりやる話になり、また私達にオーダーメイドの武器を頼みに来る人達が来た。


「私の名前は『エマ』。大好きクランのリーダーしてます」


 双剣使いの女の子で、片手剣が欲しいそうだ。


 鍛冶は私の仕事なのでしっかりやろう。


 へビィメタルとライトメタルをうまく割り振り、軽く、頑丈で丈夫な片手剣。そして属性は無で、攻撃と敏捷を上げたものがリクエストだ。


 刀を作る際に用いた技術を使い、片刃の片手剣を作る。


 片翼の刀剣という名前にして、性能の良いのができた。


「うわあぁ、ありがとうございます!」


 両方揃えたいというので、同じ性能を渡しておく。


 お金をいただき、プレイヤー間の話題を交換しておこう。


「初期スタートの繋がりが分かり始めました」


 東より北ルートに北の町があり、北の町から西に南の町がある可能性があり、東の町より西にエルフの国がある。


「ふむふむ」


「他にも国や集落があるらしくて、転移装置を使って行き来したりしてますね。とはいえそれはプレイヤーのみで、NPCが行き来するに街道を開拓するしかないようですね」


「なるほど」


 暇があれば海の方を調べるか。プレイヤーの中には私の店で釣り竿を買い取って、釣り三昧しているプレイヤーもいるらしい。色々釣れるから楽しいとのこと。


 どうもこのゲーム、ギルドに納品などすると、それがNPCの店の商品として並ぶことがあるらしい。だから開拓するには冒険者ギルドなどで納品する。


 私もそれを知り、いくつかの装備品や品物を鍛冶ギルドへ売り、釣り竿や木製の品物も売ったりする。


 トンカチとか、布切りハサミとか人気だな。たくさん作り、売ったりしている。現実で布を切るハサミを検索して、形とかまねたりしてるよ。


 こうして少しずつ品物を売り、北の町で活動していたら、ワールドアナウンスが流れた。


『炭鉱と海の北町のレベルが上がりました。これより町レベルが解放され、各種機能が使用可能になります』


 なにがなんだか分からないが、冒険者ギルドから従魔ギルドが作られたと報告を受けたり、大工ギルドができたことを報告される。


 どうも町レベルを上げると、その町の施設など増えるようだ。


 これがこのゲームの進め方かと思い、みんな一層やる気をみせた。

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