第15話・イベントあと
イベントを終えて、ログインしてまずすることが変わった。
モンスターであるレインボーシープが放たれているから、一突き兎は畑に近づかず、とりあえず毛を刈ることから始まる。
七色の毛を色分けして仕分けして、裁縫部屋で布にする。七色の布ができて、色々できるようになった。
赤色の場合、火属性の強化や攻撃アップなどできやすく、そうして布に付与術を使い強化して、服を作る。
ミルクを卸すようになって、牛からのミルクが少しずつウチで賄うようになってきたようだ。
それに伴い、チーズ牧場からチーズを買えるようになり、美味しいチーズ料理を若葉さんが作るようになる。ここ最近ではバター作りもしているようである。
畑も少しずつ量を増やして、出荷を繰り返している。最近では食べられるラー油を若葉さんが作り、売られていた。
そうして過ごしていると、服飾ギルドから連絡が入る。
「お店ですか?」
「はい」
服飾ギルドマスターの人間である【フローラ】さん。お店を出さないかと打診してきた。
「若葉さんの洋服は性能、品質、そして誰もが着たいと思う物。ぜひ町の名産品として売っていただければと思い、各ギルドの代表としてお話させていただいています」
「それは」
「バターやヒール油、各野菜や調味料だけでなく、装備品も品質が良いですからね。できれば雑貨屋として店を構えて欲しいと我々は思っています」
「そうですか」
「あなた、やってみていいでしょうか?」
「うん。畑やミルクももう少し大きくしたいからね」
「ありがとうございます」
こうして話が進み、お店を開くことになる。
◇◆◇◆◇
お店はメインは服装備、調味料、布素材。
他に釣り竿やスコップやクワを売り、野菜は料理にして売る。
夜姫が店員の一人になり、バイトとして服飾ギルドから『リリィ』という女の人を雇う。
「かわいいですこれ」
制服も頑張って作った若葉さん。長い金髪のリリィさんに似合うようにアリス風のエプロン姿で作り、喜ばれながら私は野菜を仕入れることにした。各ギルドのランクが上がり、品物が増えて作れる物を作ることにした。
ダイチも運搬、農業のスキルが生えていて、カナリアも裁縫と刺繍スキルを覚え、若葉さんを手助けする。
鉄鉱石を集め、鉄の装備も作り出して、店に置いた。
「この烈火斧ください」
「はいはい」
品物は基本、付与術によって強化したオリジナル装備。レシピとして一通り登録して、何品も作り、品質の高いものから、品質が低いものへと値段を安くしていくという感じだ。それでも武器や防具は売れた。
そんな中、イベントの一つだったのだろうか。街道の魔物討伐というのが発生して、何名か受けているようだ。
街道の魔物を討伐できれば、より町と町が行き来しやすくなる。そんな話を聞いてやる気に満ちた人達が討伐に乗り出した。
人が来るようになれば、品物も増やさないといけないなと思い、この討伐依頼には参加せず、品物を増やして、人に備えることにした。
教会のバイトは続けている。レシピ入手はいまのところここだけだし、薬師ギルドのランクも上げないといけない。
攻撃力などを上げる薬などを作り、依頼のために準備した。
「いろいろして大変だな」
「ですけど楽しいですね」
「そうだな」
こうしていると、そろそろ鉄鉱石より先の鉱石が欲しくなる。
今度はダイチ達を連れて、鉱山の方に出向こうと思う。
私達の装備も整えた。
メイスだが、鉄鉱石と付与術によって攻撃力を上げ、剣術スキルも使えるように刃を付けて、うまく使い分けられるようにした。剣のようにも扱えるぞ。
鎧は革以外に鉄板を仕込み、それに付与をして耐久値や衝撃耐性などを付与。
靴は敏捷が上がり、残りの装備で魔攻などを上げた。
ダイチ達も装備できる箇所を増やした。ダイチはスカーフだけだが、能力も上がったぞ。
カナリアは魔法使いとして能力を上げた。神聖魔法を覚えて、回復もできる子になった。
夜姫はテイムモンスターというより、お助けキャラのようで戦闘には参加しない。
残りのモンスターは生産用なので、戦闘でレベル上げしなくていい。この子達は家に待機だ。
装備を整え、鉱山へと向かう日程を決める。
日々の行動などをブログに上げる。基本は今日採れた野菜や、新作の料理。新しい服などを上げている。ブログを見る人はそこそこいるな。まあ日誌の代わりだから気にはしないが。
ああ、一度だけ装備のオーダーメイドを頼まれた。
東エリアから来たプレイヤーのクラン、ヒーラーの子の装備が欲しいとのこと。
若葉さんが丁寧にいまある布を用意して、どの布でどういった服にするか話し合い、私も付与術で協力して作ってあげた。オーダーメイドはそこそこ高めにした。
専門になると雑貨店が追い付かないから。まあバイトを増やせば少しは助かるか。バイトの子をホームで働かせることもできたため、増やすことを視野に入れている。
こうして日々を過ごして、私は鉱山へと向かっていった。
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