第13話  記者会見

 それから三年が過ぎた。

 リコとレイの二人は愛を貫き通して、めでたく結婚をすることができた。

 記者会見はビデオで収録したものをロイヤルテレビというホームページでのみ閲覧することできる。

 国民の心配は二人には余計なお世話で、心配は二人にとっては誹謗中傷となっていた。

 くだらないない会見は、二人が言いたいことを言っただけで、多くの国民を落胆させた。

 最後には国民を睨みつけたようなリコの表情は、その場にいた記者達も驚きを隠せずにいた。

 この記者会見で、国民の多くは裏切られたと感じた。

 リコは、笑顔もなく周りへの感謝は一言もなかった。

 リコとレイは、これで王室と国民に仕返しができたと満足感に浸ったドヤ顔をしていた。

 だがマスメディアは正反対で、二人を褒め称える報道に徹していた。

 それから一週間後、オムロン・レイは弁護士試験に落ちたことを発表した。

 理由は勉強不足にあったと言われていた。

 レイとリコは、毎晩のズームでの会話を二時間から三時間していた。

 時差があるためにレイは朝起きられずに、大学の授業もほとんど出席できなかった。

 不合格の理由は、勉強不足だけではなかった。

 ニューヨーク州の試験結果が三ヶ月かかるのにはそれなりの理由があった。

 厳しい身辺調査があり、それをクリアしないと合格ができない。

 法の番人である人間に疑いがあるような行動を取っていては、仕事の依頼がこない。

 世間ではこのような報道がされているが、元々試験は受けていなかった。

 それどころか大学も卒業すらしていなかった。

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