第8話 カイの将来
15歳になると、カイはジョンに進路の相談をした。
将来の事を相談できるのは、たとえ血は繋がらなくても父親しかいない。
ジョンは喜んでカイの相談に応じた。
嫌われていたと思ってたカイが、自分を頼りにしてくれたことがとても嬉しかった。
ジョンはカイの希望していることは、ある程度理解していた。
カイの希望は、専門性の高いスキルを身につけて、なるべく早く自立することだった。
その理由は母親の結婚で振り回されるのは、二度と嫌だったからだ。
ジョンはカイの性格を考慮して、海軍兵学校に行くことを勧めた。
厳しい校風ではあるが、我慢強いカイにはきつい訓練も乗り越えられる。
たとえ血がつながっていない息子でも、愛しているからこそ自分と同じ道を歩んで欲しいという親心があったからだ。
海軍兵学校は卒業するには4年掛かり、卒業しても陸軍、空軍、海軍、沿岸警備隊に入隊することも義務付けられている。
カイには、兵学校の4年は長く思い悩んだ。
だが、最終的にジョンの意見に従った。
軍隊の入隊期間は5年だが、どこに入るかは卒業するまでに決めようと考えた。
海軍兵学校は、17歳から入学資格を得られるので、入校までに二年間の猶予があった。
「いい機会だから、ラパンで武者修行をしてきたらどうだ。トキノにいるパパに頼んでみたらどうだ!」
ジョンのアドバイスにカイは閃いた。
「ジョン、素敵なアドバイスをありがとう」
あの事件から、カイはジョンのことをパパと呼べなくなった。
そのことはジョンも感じていたようだが〈男友達のようで却って気持ちいい〉とマリーに話していた。
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