第30話


 「アカネん家に行ってもいい?」


 「ダメ」


 「アカネはアカネで呼び出されてるんでしょ?」


 「だから一緒にサボろうって言ってんだよ」


 「絶対怒られるじゃん。めんどくさいからヤダ」


 「どうせいつも怒ってるじゃんアイツ」


 「それは葵が真面目に勉強しないからじゃん?」


 「してますー」


 「どこらへんが??」



 …どこら辺がってそりゃ、色々だよ。


 周りからよく言われるけど、私だってやる時はやるよ?


 今回みたいに、時々やらかしはするが。



 「ミカの部屋にでも行けば?」


 「今日確か課外授業とかじゃなかった?」


 「そうだっけ?」


 「今日は港の方に行ってんね。漁業関連の人と交流するんだってさ」


 「交流ゥ!?」


 「釣りとかするんじゃない」


 「めちゃ楽しそうじゃん。いいなぁ…」


 「ミカの学科はそんなじゃん?よくクレマンティーヌ園に行ってるしね」


 「あれだろ?ジャム作ったって言ってた。冷蔵庫にもあったもん」


 「とにかくおとなしく反省したら?ただでさえ素行が悪いんだから」



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