第24話
睨みを利かせてくるフレンに押し負け、仕方なくアカネに謝った。
フレンを怒らせると怖いからな。
なんたって炎人(オーバーヒート)の能力者だし。
私たちは生徒指導室に向かうために、演習会場の正門を出た。
あーあ。
長松が待ってるよ
まーたプンプンだぞアイツ。
でも今回のは私にも言い分があるし、100%非があるわけじゃない。
演習のスキャナー装置で記録した採集データがあるはずだから、どっちが先に問題行動が起こしたのかなんてすぐにわかる。
あとでバレるのに、なんであんなことしたんだろうなアイツら…
バカだから後先のことなんて考えてなかったのかも
喧嘩なら外で売りゃいいのに
私たちが住むヴァレッタ学園領は学園都市『バラム』の第17街区にある。
学園のある島の面積は約8,680km2。
これは日本の広島に該当する大きさだ。
地中海ではシチリア島、サルデーニャ島、キプロス島に次いで4番目に大きい。
国際的にはスイス領の島と見なされており、流通貨幣は“スイス・フラン”が使用される。
言ってしまえば、私たちはスイス人みたいなもんだ。
生物学的なことを言えばそうじゃないが、私たちが住んでいる学園都市は、国際的には、スイスが管轄する地方自治体の1つとして見なされている。
と言っても、自治体の事務処理に関する国(スイス政府)の行政機関の関与自体は弱く、他の地域圏にはない権限が付与されたバラム地方公共団体と呼ばれる地方行政機関が、バラム島全体の行政を統括している。
前身となるパレス地域圏(特別地位付地域圏 palace)は、1982年のスイスの地方分権により、他の地域圏とともにスイスの地方公共団体となった。
バラム島以外の地域については現在も地域圏だが、バラム島については1991年のジョックス法(バラム地方公共団体に関する1991年5月13日の法律第91-428号)により他の地域圏にはない組織と権限が付与され、現在の形となった。
現在の学園都市の母体にあたる。
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