第23話


 フレンに喋らせるといつもこれだ。


 いっつも痛いところをついてくる。


 そりゃ早とちりだったとは思うよ?


 正規のルートで違反申告でもしときゃ、アカネも呼び出されることはなかった。


 どれもこれもあのクソ野郎のせいだ。


 話が済んだら速攻で殴りに行ってやる。


 この際アイツの寮ごと破壊してやろうかな。


 どうせろくな奴らがいないんだから。



 「ちょっと。やり返そうなんて思ってないよね?」


 「なにが?」


 「あんたの考えてることなんて大体察しがつくよ。言っとくけど、絶対に行かせないから」


 「どこにも行かないよ」


 「ほんとに?ー明日は日本に行くって約束してるでしょ。これ以上面倒ごとはごめんだよ?」


 「…あ、そっか」



 そうだそうだ。


 完全に忘れてた。


 今日金曜日じゃないか。


 約束してたのをすっかり忘れてたよ。



 「とりあえず仲直りしな?」


 「…えぇ」


 「私は謝らないからねー」



 …コイツ


 別に謝ってほしいなんて言ってねーし。


 それに話の論点が合ってねーんだって。


 私がしたことについてはさっき謝ったろ?


 それをチクチクチクチク突っ込んでくるから。


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