第13話
足の拘束を無理やり外し、襲いかかる無数の粒子を避けていく。
鬱陶しいなぁ
粒子は先回りしたようにフィールドの外回りを飛んでいる。
フィールドの外に出た時点で負け。
その状況を活かしてラインギリギリを攻めてきていた。
端に行けば行くほど空間の移動範囲が狭くなる。
できるだけ中央を陣取っておかないと、粒子が動ける三次元空間の領域が狭くなり、その分逃げ場が小さくなる。
向かってくる攻撃の角度や量を捕捉しつつ、中央の地点から遠ざからないように意識した。
高さも利用しながら、粒子の移動距離と範囲を広く保とうとした。
それでも被弾は避けられない。
ただ、これは演習であって、実践形式の戦いじゃない。
相手の怪我も厭わないなら、レザックの攻撃はもっと鋭く、一つ一つの威力が大きかっただろう。
粒子を払うのは造作もなかった。
このまま立ち止まって全ての攻撃を受け切ることもできる。
けど、私の狙いはあくまで本体の“捕獲”だ。
分裂体の一つ一つが“レザック”なのかもしれないが、だからこそ——
この前教科書に載っていたな。
そういえば。
「金属」は磁場の影響を受けるが、磁性を持つ金属にも種類がある。
例えば鉄。
鉄はもっともポピュラーな金属だが、磁石の素材としても広く使われている。
鉄は磁壁が移動しやすく、強磁性体の中でも軟磁性体であることが特徴だそうだ。
純粋な鉄は磁石を離すとすぐにその性質を失うが、炭素などほかの原子が含まれていると、わずかだが離したあとも磁化した状態が続く。
磁石に金属がくっつくのは、磁石の磁力によってその金属も磁石になることが要因だ。
金属には多くの種類があるが、磁石につく金属の種類は意外と少ない。
金や銀、銅やアルミは磁石にはつかない。
これは、反磁性体と呼ばれる物質の性質による。
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