第4話 平然でいられるわけありません...
俺は今ものすごく焦っている。なぜなら学年一美少女の佐藤さんからメールがきたのかもしれないのだから
(佐藤さんからメールがきた?いやいや多分見間違えだろう)
そう思いスマホの画面を一度消してもう一度つけてみた。でも、やはりそこには【From:佐藤】と書かれている
(見間違えじゃなかったぁぁぁぁぁあ)
「お兄ちゃんスマホ見て『へっ?...』って言ってから固まってるけどどうしたの?」
「いや、噂をすればやってやつだよ」
「え!?まさか佐藤さんからメールがきたの?」
「よくわかったな...」
そう答えると楓はカレーを食べていたスプーンを置いて俺のそばに寄ってきて、俺の肩を掴んで揺さぶりながらジト目で見てきた。
「なんて書いてあるの〜見せて〜!」
「俺もまだ見てないし、なんか見せるのやだ」
「うわぁ〜お兄ちゃんのケチ〜」
「アイスあげるから許して」
「仕方ない今回は許そう」
とりあえずアイスで妹の機嫌を
(メール見てみるか...)
女子とのメールなんて妹以外としたことがなかったので恐る恐る開いてみたがそこにはこう書かれていた——
【こんばんは。土曜日のことについて話したいことあるんだけど後でちょっとメールで話せる?】
(土曜のことってことは出かける話のことだよな?他にないよね??)
不安になりつつメールの意味を考えながら、とりあえず皿に残っていたカレーを完食した。メールの内容を考えていたら気づけば楓も食べ終わってたみたいで一緒に
『ご馳走様でした。』
と言ってお皿を台所に持っていった。
(今日は俺が当番か....)
小林家では洗い物が当番になっているのだが家には俺と妹しかいないのでほぼ交代でやっていて、今日は俺が当番の日だった。
洗い物を始めようとすると、テレビでゲームをしようとしていた妹が何か企んでそうな笑みを浮かべながら
「お兄ちゃん今日疲れてるだろうし先にお風呂入っていいよ〜」
と珍しくを言ってきたので
「お、いいのか?ありがとう」
と返事をし少し疑問に思いながらも素直に気持ちを受け取った。
しばらく間があいてさっきの企んでそうな笑みの意味を考えるのを放棄しようとした時また楓が口を開いた。
「あ、言い忘れてたぜ、しっかり疲れを癒すんだぜブラザー」
「あと、後でゲームしようぜ!」
(ま、そうだよねさっきの企んでそうな笑みはこのことだよね)と思いながら
「いいぜ!今日は負けねえぜ〜」と言った。
そんなことを話しているうちに洗い物が終わり風呂の準備をしに自分の部屋に戻った。
◇
(とりあえずこれとこれ持ってけはいいか...あっ)
佐藤さんにメールを返してないことに急いで気がついたので慌ててスマホを取り出した。
(後で時間はあるし暇だけど、なんて返そう)
やばいここで女子とあまりメールをしてないことが痛すぎてなんて返したらキモがられないか不安になってきた。まぁでもとりあえず風呂も入らないといけないのでシンプルに返すことした。
【こんばんは。後で話せます。】
(これならキモがられないよな?)
そう思いつつとりあえずお風呂に行くことにした。
ガラッ——
扉を開けると何かいい匂いがしたので湯船を見てみると、何らや入浴剤が入っているように見える。多分楓が入れてくれたと瞬時に理解したのと同時に
(何か企んでそうな顔してたのってそうゆうことだったのか!?そして妹よ気が利きすぎ!)
とさっきの笑みを理解したのと同時に湯船に浸かった。(もちろん体はあらったよ!?)
「いや〜今日一日で色々なことあったな」
「てかまじで思うけど反省文ってなんやねん!!」
「あんなんもう書きたくないわ!!」
そんな1日あったことにツッコミを入れつつ風呂ももう十分くらい入ったので出ることにした。
「楓〜風呂上がったよ〜」
「わふぁっふぁ〜(わかった〜)」
「何食べてるんだ?」
「あいふ〜(アイスー)」
「俺も食べようかな〜」
そう言って冷蔵庫を開けたが入ってなく、疑問に思ったがさっき楓にあげたことを思い出し、アイスを食べるのは諦めて自分の部屋に戻った。
部屋に戻ってからは机の上に置いていたスマホを手に持ってベッドにダイブした。
(あ、そうだ佐藤さん)
そう思いスマホを見てみると予想通り佐藤さんからメールがきていた
【よかった!僕さ、映画見に行きたいんだけど小林くんはどうかな?行きたいところとかある?】
(行きたいところか....特には...ないけど映画見に行くのいいな。ちょうど見たいのあるし)
【特に行きたいところはないけど俺も映画館行きたいかな】
そう送るとすぐに返事が返ってきた
【よかった〜じゃあさ「今を生きる君に贈る花言葉」って映画見に行かない?前から見たかったんだ〜】
(え、俺も見たかったやつじゃん)
そう思い思ったことをそのままメールで送った
【その映画俺もちょうど見たかったやつだから賛成です】
するとまたすぐ返事がきて
【僕たち気が合うね〜じゃあとりあえず映画館に行くということで決定ね!楽しみだね!】
(改めて思ったけど学年一の美少女と映画館に行くことになったのか、てかなんかそれって.....)
そう心の中で思っているとリビングから
「妹が風呂から出たぜ〜!ゲームするぞ!!」
と聞こえたのでベッドに倒れていた体を起こしリビングへと向かった。
「お、きたか兄よ...てかなんか少し顔赤くない?佐藤さんとなんかあった?」
「い、いや別に?そんなことより早くゲームしようぜ?」
そう言うと楓は何も追求することなくソファに腰掛けた。俺も座るかとそんなふつに思いながら腰を下ろすと楓が横で——
「じゃあ私が勝ったら何があったか話してね?」
(あっ、全然追求してきたわ...)
追求してこないと思い油断していたので思わず(やっぱ聞いてくる?)みたいな顔に出てしまった。まぁもうこれで
「なんでもお見通しってわけか....」
「兄弟ですから!」
相変わらずの謎理論だなと思いながら佐藤さんと何があったのかが、かかっているゲーム対決が始まった——
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